Top向学新聞今月の人イブラヒーム アファーフさん
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イブラヒーム アファーフさん (エジプト出身) 
(東京外国語大学研究生) 


人と人とは通じ合える  理解しようとする姿勢学ぶ

  私はかつて交換留学生として一年間筑波大学にいた時に、落語研究会に所属し、先輩師匠の指導のもと「じゅげむ」の練習をした経験があります。間違えたらどうしようと心配しつつ実際に大勢の前で披露しましたが、国も違えば見た目も違うのにみなわかってくれて笑ってくれたのは非常にうれしかったです。人と人とは通じ合えるのだということを実感し、以来、人前で話すことは怖くなくなりました。
  外国語を学ぶ最大の秘訣は、怖がらないことだと思います。喋っていて、心の中で「今これが間違った、どうすればいいだろうか」と怖がっていると前に進めません。間違ってもいいから言いたいことをまず言ってみるのです。自分が勇気を出せば世界が変わります。
  エジプト人の私から見ると日本人は非常に消極的に見えます。小・中学校を訪問し母国を紹介する機会がありましたが、生徒に問いかけても反応がなく、最初私の日本語が通じていないのかと思ったほどです。なぜ分かっていても答えたくないのか理解できませんでした。例えばエジプトのシンポジウムでは、講師が30分講義すれば40分以上は質疑応答が続き、途中で打ち切られることも多いです。日本の大学で講義後に質問が出ないことは不思議でなりません。エジプトでは先生の存在が非常に強く、いわゆる「熱血教師」は当たり前のことで物語にはなりません。日本では授業に遅刻して平気でノックせず入ってくる人がいますが、エジプトでは授業は先生のものですから許可を得ないと入れないし、騒いだりしていると学生証を没収され学長に呼び出されます。学生証がないと学校の構内にも入れません。
  これらの善しあしは別にしても、確かなことは、私は留学しなければ日本人の考え方は決してわからなかっただろうということです。様々な考え方に触れ視野が広がるということが重要です。なぜそう行動しようとするのか、相手の気持ちを理解し、受け入れようとする姿勢を学ぶことができる。それこそが留学の大きな財産であり、ひいては国際理解と平和の促進につながっていくのではないかと思います。