Top向学新聞日本で働く留学生OBたちロットウィブンチャイ グンティダーさん


ロットウィブンチャイ グンティダーさん(タイ) 
(株式会社日立製作所ユビキタスプラットフォーム開発研究所) 


採用条件をもっと明確に
体験すべきインターンシップ

――就職活動で一番大変だと感じたことは何ですか。
 まず、博士課程卒業者を採用する企業が少ないことです。専門性が高すぎて、仕事と合わないということも理由としてあるのかもしれませんが、普通不採用の理由は言いませんし、最初から博士課程の卒業者がだめだという理由を明確にしている企業もありませんので、はっきりとはわかりません。日本の企業社会への要望ですが、もっと何でもはっきり言ったらいいのではないかと思います。博士を採用するかしないか、修士ならどうなのか最初にはっきりと言ってくれれば、条件に当てはまらない人は訪問せず、余計な時間もかかりません。ずっとはっきり言ってくれないまま最終的に不採用ということになると、けっこう傷ついてしまいます。

――就職活動に役立った体験はありますか。
 私は博士のときに北京のマイクロソフトで3ヶ月間インターンシップを体験しましたが、企業が実際に行っている業務をほぼそのまま体験できました。大学とは違い、会社で働く場合は何時に出社して何時まで働くということを明確にしないと一緒に仕事している人に迷惑をかけますので、それはマナーとして守らなければなりません。また、ディスカッションも多く、自分が考えたことをどうやって相手に伝えるのか、上司に思ったことを伝える方法など、多くを学びました。日本企業の場合人間関係が一番重要ですのでそういう体験は役に立つと思います。また、新しい環境への適応の仕方もわかり自信がついてくるので、その後日本企業に入社したときには緊張しなくなるなどの違いが出ます。
 最初にこういう仕事をしたいと思ってインターンシップに取り組めば、本当に自分がそれをやりたいのかどうかもわかり、合うか合わないか、やっていけるかどうかが確かめられます。留学生は一度は長期休暇の期間などを使って体験してみるのが良いと思います。1~2ヶ月あれば、隣の席や隣の部署でしていることや会社全体の雰囲気も分かると思います。友人もできるでしょう。時間の制限なく1日中専門的な仕事をできるので、アルバイトをするより良いかもしれません。
 また、企業側にとってもよい機会だと思います。言葉の面で留学生とは一緒にやりにくいのではないかといった不安などは、実際にインターンシップを受け入れることでなくなるのです。