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グローバル人材の育成促す

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向学新聞2011年3月号記事より>


グローバル人材の育成促す

日本経団連
 

産学共同でカリキュラム整備   優秀であれば国籍不問で採用

 社団法人日本経済団体連合会は1月18日、「産業界の求める人材像と大学教育への期待に関するアンケート結果」を発表した。事業のグローバル化に伴って採用の多国籍化が進み、有能な人材であれば国籍にこだわらず採用する企業の人事戦略の動向が、改めて浮き彫りとなった。大学でのグローバル人材の育成については、専門科目を外国語で履修したり、実務家からグローバルビジネスの実態を学ぶカリキュラムを設置するよう要望する声が多く、産学連携による共同教育への提言がみられた。

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 調査は、日本経団連会員企業と地方経済団体加盟の経団連非会員企業を対象にアンケートを行い、596社から回答を得た。

 今後5年の海外戦略については、「現在海外展開を行なっており今後も拡充する」が半数に上り、「海外展開を行っているが現状維持」「今後は展開する予定」とあわせて7割に達した。こうした事業活動のグローバル化に対応するための人事戦略については、「海外赴任を前提とした日本人の採用・育成の拡充」「国籍を問わず有能な人材を幹部に登用」「今よりも採用の多国籍化を進める」等の回答が多かった。人材募集のフィールドを世界へと広げる企業が増えつつあり、人材獲得競争が激しさを増すとともに、日本人・外国人に関わらず世界を視野に入れて戦わねばならない昨今の就職活動の実情が伺われる。

 また、日本本社における外国人採用の割合はまだ2%台と低い率で推移しているが、キャリア・中途の外国人よりも日本国内の新卒留学生から採用する比率がここ数年増加傾向にあることがわかった。外国人を雇用する職種は、「総合職(営業・総務・企画等)」が最も多く(183社)、以下「研究開発関連」(115社)、「開発・設計・デザイン」(85社)、「国際貿易・投資」(68社)の順だった。最近では、母国との関係を活かす橋渡し人材としての採用よりも、外国人ならではの文化的背景や発想、バイタリティを活かして社内の活性化やシナジー効果を生むことを期待するダイバーシティ採用が増えてきている。「総合職」の中にはそうした意図の採用も含まれていると考えられる。

 また、外国人材に求める日本語能力としては、56・5%と過半数の企業が「専門能力に関わらず日本人と同程度の日本語能力を求める」と回答したが、いっぽうで「専門能力が高ければ多少日本語能力は低くてもかまわない」あるいは「専門能力が高ければ日本語能力は問わない」とする企業が36%にのぼった。競争力のある高度な専門性や、単なる語学力を超えた総合的なマネジメント能力等を強みとして求める企業も少なくないようだ。

 グローバル人材育成に向けて、企業が大学に優先的に取り組んでほしいことについては、「外国語で専門知識を活用する力を向上させるため、専門科目を外国語で履修するカリキュラム」(271社)、「グローバル・ビジネスに従事している企業の経営幹部・実務者から、ビジネスの実態を学ぶカリキュラムの実施」(260社)という回答が多かった。現場に即した能力の育成に期待する産業界の声を反映している。また、教育改革に向けて大学に期待する取り組みとしては、「教育方法の改善(双方向型、学生参加型、体験活動を含む多様な授業の実施等)」が最も多かった(440社)。

 これら産業界からの要望に対して、文部科学省「グローバル30」の採択大学に意見を求めたところ、採用活動への問題提起や産学共同での人材育成の提案が相次いだ。「学生が海外経験を積む上で企業の採用活動が3年次から始まることがネックとなっている」として就職活動の早期化の是正を求めたり、「長期のインターンシップの受入れや4月入社にとらわれない採用時期の柔軟化」といった具体案の提言があった。また、採択校と日本経団連とが歩調をあわせ、産学連携の具体的なプログラムづくりに取り組むべきだとの意見があった。

 日本経団連としてはグローバル30採択校と協力し、実務家による講義のカリキュラム化や、将来日本のグローバル事業を担っていく学生を対象とした奨学金を設けるなどの方針を明らかにしている。



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