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就職活動

内定留学生とのオンライン交流セミナー


 3月6日、就職活動中の留学生を対象とした、内定留学生とのオンライン交流セミナーが開催された(企画/エバオン株式会社、後援/国際留学生協会)。エバオン人材開発部の谷口慎吾氏の司会進行の中、前半は内定留学生の神戸大学大学院の柳昌均さんの就職活動の実体験の話、後半は参加者からの質問を中心にトークセッションが行われた。オンラインと実地参加の留学生合わせて27名が参加した。

プレゼン図,80%

 柳さんのプレゼンでは、自身の経歴から就職活動の経緯、内定した株式会社両備システムズ(岡山を拠点としてBtoB、BtoGを主に展開するシステムインテグレーションを行うIT企業)の選考や入社を決めた理由、文系学生がSEの仕事で活躍できる可能性などについて、スライドを用いて分かりやすく説明した。これから就活に臨む留学生に伝えたいこととしては、「自分の基準」と「客観的情報」のバランスが重要、とあげた。(図1)
 また、内定が取れたポイントとしては、「自分の就活の軸をもって、どこかに自分を必要としてくれる会社があると思い、ポジティブに臨んだ」と述べた。

柳さん

 後半は、留学生からの質問に、柳さんと谷口氏で答える形式でトークセッションが進んだ。弘前大学の留学生からは、「先輩から、30社くらいはエントリーしないといけないと言われたがそうなのですか」との質問に対し、柳さんは「最初の10社くらいはエントリーシートの作成が大変だが、そのうち、どの企業も似たような質問をしてくることが分かってくる。エントリーや面接の回数を重ねると、質問のビッグデータが自分の中に蓄積されるので、負担に感じることは少なくなってくる。経験としても、興味がある企業にはエントリーしたらよいと思います」と答えた。
 また千葉大学の留学生からは、「面接で苦戦している。コツは何ですか」との質問があった。柳さんからは「一つは、何度も声に出して練習する。自然に言葉が出てくるようになるまで。企業の方は、何をどのように話すかを見ている。もう一つは、面接が終わったらすぐに内容をまとめる。質問内容とそれにどう答えたか、どんな雰囲気だったか。結果が不合格でも、その経験を次にどのように生かすかが大事」と答えた。
 その他、「就職活動をして、良い企業だと思ったおすすめ企業はありますか」「大手にチャレンジしたいのですがどう思いますか」などの質問があった。柳さんと谷口氏からは、知っている大手だけではなく、BtoBなどで、あまり知られていない大手にも目を向ける、柳さんの内定先の両備システムズのように、あえて非上場で、さまざまなチャレンジをしている元気な企業もある、など、企業探しのポイントについて助言があり、参考資料として健康経営優良法人2021(経産省資料)の企業リストが提供された。

オンライン参加者

 今回の交流会を通して、多くの留学生は、自分の就職活動について、率直に的確なアドバイスをしてくれる存在を必要としていることが分かった。柳さんにとって、親身に相談にのってくれたアドバイザーの谷口氏がそうであったように、一般論だけでなく、その人の弱点を的確に見極めて指摘してくれる存在が必要だ。留学生は就職課のスタッフなど味方となり協力してくれる人を見つけて、良い情報や的確な助言をもらいながら、前向きに就職活動に臨んでほしい。



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