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株式会社電通 


多言語での適性検査実施  夢を持つことが重要

 いよいよ2013年新卒の就職活動が本格化する。今月は株式会社電通人事局採用育成部の在原遥子氏に人事の視点をお聞きした。

――留学生に期待する役割とは。
 当社は広告会社ですが、例えば世界的なスポーツイベントの企画・運営や新商品の開発など、単なる広告の領域に収まらない様々な仕事を行っているため、全ての社員が自分独自のアイデアを持つことが求められます。独自のアイデアを生み出すには、個性・バックグラウンド・経験など自分の強みを活かす必要がありますが、留学生が持つ多様な価値観や母国の文化を活かした発想は、非常に強い武器だと考えています。そういった視点の有無で、アイデアの質が変わってくるからです。

――ユニークな適性検査を実施しているとお聞きしました。
 昨年は、英語・中国語での適性検査を実施しました。面談は日本語で行いますが、人材の多様性を重視する当社としては、多言語の適性検査がないと留学生の皆さんが歓迎されていないと感じるのではないかと思ったからです。また、日本語に自信がないという理由で敬遠されてしまっては、出会いが少なくなりもったいないと考えました。英語・中国語での適性検査を実施した結果、面談では例年以上に多様な学生と出会うことが出来ました。

――志望動機など、面談では何を重視していますか。
 夢を持つことが重要だと思います。様々な部署がありますので、目標が曖昧な場合、どの部署に配属されたとしても、業務をこなすだけになってしまう可能性があるからです。どういったきっかけで、何をしたいと思い志望していただいたのかというところまで説明していただけると、こちらもイメージしやすいです。
 例えば、日本の大学の医学部から入社した留学生がいます。医学を勉強しようと日本に留学したのですが、日本の文化や人々に興味を持ち、日本人一人一人の気持ちを考え、想像し、作品を作り上げていく仕事をしたいと思い志望したそうです。「日本との出会い」は、全ての留学生が体験しているはずです。その出会いを自分なりに振り返り、仕事に繋げたいという気持ちを伝えてもらえれば、当社の社員も「この人とならきっといい仕事ができる」と感じるはずです。
 また、面談では「なぜ日本で就職しようと思ったのか」という話題になることが多いです。それぞれの理由がある と思いますし、日本で長期間働きたい、将来的には母国で活躍したい、などの希望もあるはずです。そういった所まで含めてご自分の考えをお話しいただければ説得力がありますし、深く考えているのだと印象に残ります。

――就職活動を始める留学生へのアドバイスを。
 自分を知ることと企業を知ることの両方が必要です。12月から本格的な就職活動が始まり、一斉に多くの会社に応募されるかもしれませんが、会社によって、自分が伝えるべきことや、伝わることも違ってきます。自分自身のことをよく考え心の準備をし、妥協せず、本当に自分に合う会社に出会っていただきたいです。現在日本は、多様な力を求めています。特に当社は、様々な価値観を持った人間が一緒に仕事をし、アイデアを融合させて新しい発想を生み出し、社会にイノベーションを起こすことが仕事です。留学生の皆さんが活躍できる場所が必ずあると思います。



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