Top向学新聞>留学生座談会2016年12月号

留学生座談会 in 法政大学 

~就職内定者インタビュー


就職活動は体験しながら学ぶ  
日本人以上の強みをアピール

 就職活動で、留学生はどのように企業を探し、最終的にどのように企業を選んだのだろうか。また、それらを通して見えてくる、就職活動で大切なこととは何だろうか。日本企業への内定を獲得し、2017年春に入社を控えた法政大学の留学生にお話を伺った。

 


卞さん
卞 鵬蔚さん(中国)
経営学部経営学科4年
製造小売業内定



金さん
金 孝中さん(韓国)
デザイン工学部建築学科4年
ハウスメーカー内定



ホアンさん
ホアン・タイン・ヴァンさん(ベトナム)
経営学部経営学科4年
重工メーカー内定



―何を重視して企業を選びましたか。

) 日本人の方々と一緒に働くことになるので、入社後に自分ならではの強みが生かせるか、海外の事業と関連があるかを一番重視していました。内定先の会社の海外店舗数は日本国内の店舗数とほぼ一致するところまで発展しています。


) 私は建築専攻ですので最初から建築業に絞りましたが、企業規模の大きさを最も重視していました。せっかく4年という時間とお金を投資して留学したので大きなビジネスがしたいと考え自分が本当に入りたいのがどこなのかよく考えました。最初スーパーゼネコンに応募して不合格となってしまったので、視野を広げて準大手を受け、ゴールデンウィーク終わり頃に2社内定を頂きました。その時、就活をやめようかと思いましたが、周りの友達が結構有名な企業の内定をもらっていて、「もっと続ければたぶんさらに内定がもらえるよ」という助言もあり、続けたところ6月に内定を頂くことができました。結局、日本で最大規模のハウスメーカーに入れたので満足しています。


ホアン) 私が内定を頂いたのは重工メーカーで、インフラ関係の仕事にかかわりたくて最初からゼネコンや重工系メーカーなどに業界を絞りました。重工メーカー数社から内定を頂いたうち、いまの会社に決めましたが、企業を選ぶ際に一番重視したのは事業内容でした。そして母国のベトナムのような発展途上国をもっと発展させていきたいと思っていたので、海外展開していることも重要な条件でした。


―最終的に内定先の企業を選ぶ決め手となったのは何でしょうか。

) 面接の時に会った人事の方や社員の方がさわやかで良いなと思ったのです。面接は自分がその会社の方を初めて見る機会ですし、会社の方も自分を初めて見る機会ですので、出会った第一印象が大きな要素だと思います。
 その会社は一次から最終まで一対一の面接でしたが、話していて圧迫感がなく、さわやかな雰囲気で、自分が気楽に普通に話せるようにしてくれました。その面接の仕方や、社員の印象が、その会社の良いところだと感じたのです。自分の考えとその会社の理念も同じでしたから、ここがいいと思って決めました。


ホアン) 私も面接時に人事の方が自分に雰囲気が似ているなと思い親近感を覚えました。まじめで優しそうな方で、たぶん私はこの会社に入ったら合うなと感じて決めた部分があります。


―企業が自分をどう評価して採用したか、留学生として何を期待して採用したかについてはいかがですか。

) 人事の方には「留学生だから採用したのではなく、日本人と同じ基準で選考し、基準を満たせば区別なく採用しています」と言われました。同時に、入社後日本人の方々と同じ基準で見られるので、そこはちょっと大変だなという思いも少しわいてきました。以前から留学生枠はあまりなく、留学生の先輩が少ない会社です。中に入ると周りはほとんど日本人になりますので、とにかく人間関係は大事にしていこうと思っています。


) 建築業界は留学生が少ない、と受けた全ての企業に言われましたが、「自分は日本語もできるし韓国語もできる」といった外国人ならではのアピールをしました。日本人と競争するので、自分がさらなる強みを持っていることをきちんとアピールしないとどうせ負けると感じていました。ですから留学生でも会社に入ってちゃんと仕事ができ、さらに外国人としてアレもコレもできる、と話していくと「そういうふうにもできるの!?」と良い反応を頂けて自信をもちました。留学生という枠ではなく人物に対する評価をして頂けました。会社が求める人物像と自分の長所が合うことをしっかりアピールできたと思います。ですから最終面接が終わったときには自分で「あ、受かったな」と思いました。しっかり準備し自信があったので、内々定を伝える電話が来る、と思っていたらやはりその通りになりました。


ホアン) 私も同じく留学生採用枠はありませんでしたが、最終面接後に電話で内定のお知らせを頂いた時、明るいこと、企業のことをよく知っていることの二点を評価したと言われました。でも私としては、採用された理由は多分「本当にその企業に入りたい」という気持ちが「伝わった」からだと思っています。


―就職活動でいちばん大事な事は。

) 「試行錯誤」ですね。留学生として日本ならではの就職活動を一から体験し、体験しながら学ぶしかないと思っています。自分が入りたいと思う会社の選考から始めるよりも、まず似たような業界の門を叩いてみて、コツではない就職活動の本質を理解し、そこで再分析することで次の段階につながります。それで最終的に自分が行きたい会社に挑戦していくというプロセスが大事です。例えば身だしなみなども早めの段階だと人事の方が親切に注意してくれたりします。最初のうちの経験とそこからの学びはすごく大事です。


) 一言でいうと情報力です。留学生も日本人も情報がなければ就職活動はかなり苦労します。人と会えば、自分が知らない業界や企業も発見できるはずです。自分は友達が多かったのでけっこう友達に教えてもらったことも多いです。結局、自分一人でやろうとしてもできない部分があるので、友人から情報を集めるとともに自ら企業研究し、確かな情報を元に一歩一歩進めていくことが大事だと思います。


ホアン) 本気を出すことが一番大事だと思います。私は最初は就職活動がうまくいかなかったら国に帰ればいいと軽い気持ちで就職活動していましたが、3社受けて2社も落ちた結果を見て現実の厳しさに大きな衝撃を受けました。それで相当本気になって15社ほどにエントリーシートを出し、最終的に希望にかなう企業に内定を頂けましたが、本気を出して頑張れたからこその結果だと思います。


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