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~自己分析の必要性~ 


日本企業の総合的な人間力採用


1603 自己分析の必要性 HP
※写真は記事と直接的関係はありません

 
 日本では就職活動における土台作りとして「自己分析」の必要性が強調される。日本の就職活動は海外と比べて独特だが、実力社会と言われるアメリカの就職活動と比較しながら日本の特徴を理解し自己分析の必要性を考えたい。


 自己分析とは、「自分に向いていることは?」「やりたいことは?」「なぜそう思うのか?」、こういった質問を自分に投げかけ自分自身をよく知る作業だ。自己分析にしっかり取り組むことで、その後のエントリーシート作成や面接もスムーズに行える。資格などの分かりすい指標だけではなく、自身の動機や志向性を深堀りする点が特徴だ。
 
 では、なぜ日本では「内面性」がより重視される就職活動が強調されるのか。日本とアメリカの企業の採用活動を比べるとその理由が浮かび上がる。
 
 日米には大きく分けて5つの違いがある。
 
 日本は①総合職として採用②部署をローテーションさせジェネラリストへと成長③終身雇用制度で人材を長期的視点で育成④ポテンシャル採用⑤新卒学生を一括採用、といった特徴がある。
 
 一方でアメリカは①ポジション別(部署・役職)で採用②部署ローテーションはなくスペシャリストへと成長③終身雇用制度がなくポジションが空き次第採用④即戦力採用⑤通年採用、といった特徴がある。
 
 アメリカでは即戦力を求めるため、学生に長期インターンシップを通じた実務経験が求められ、学歴も重要な指標になる。世界有数のコンサルタント会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーは、ハーバード生・スタンフォード生に専門のリクルーターをつけて積極的に採用しているという。
 
 日本はアメリカとは異なり、長期的な視点で大きく成長できる人材を採用する。そこで大切になるのが「ポテンシャル」なのだ。現時点での資格や能力だけで判断するのではなく、「興味があることは何なのか?」、「なぜそうしたのか?」、「どのように努力したのか?」といった問いを通して、その人の内面性と行動からポテンシャルを見極めようとしている。いわば総合的な人間力採用といっても過言ではない。
 
 学生は自己分析を通じて自分をよく知り、その結果を踏まえて志望業界や企業・職種を絞り選考に臨むことで、合う企業・合わない企業を判断することができる。そして企業側も学生の能力だけでなく学生の志向性を踏まえて、総合的な判断によって人材を選別する。自己分析は学生・企業双方にとってミスマッチを防ぐ土台となるのだ。日本企業のあり方に裏打ちされた採用活動において、自己分析は欠かせない作業だと言えるだろう。


 

<日米企業の採用スタンスの違い>

日本               
 ①総合職として採用
 ②部署をローテーションさせジェネラリストへと成長
 ③終身雇用制度で人材を長期的視点で育成
 ④ポテンシャル採用
 ⑤新卒学生を一括採用 

 
米国 
 ①ポジション別(部署・役職)で採用 
 ②部署ローテーションはなくスペシャリストへと成長 
 ③終身雇用制度がなくポジションが空き次第採用 
 ④即戦力採用 
 ⑤通年採用 




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