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向学新聞2025年1月号記事より>

認定日本語教育機関 日本語教員試験スタート

文科省は、昨年10月30日、第一回目の認定日本語教育機関の審査結果を公表した。初回となる今年度の申請機関数は72件で、このうち、認定されたのは22件、途中での申請取下げは36件だった。

同審査結果を受けて、中央教育審議会生涯学習分科会日本語教育部会長は所見で、「日本語教育課程の内容が不十分であったり、研修に関する体制が整っていないなどのケースが見られた」とし、「認定日本語教育機関等の法の趣旨を踏まえて、関係法令などへの理解を深めるなど十分な準備を求める」とした。

また、同年11月17日には、第一回となる日本語教員試験が全国8地域12会場で実施され、1万7655人が受験し、1万1051人が合格した(合格率62・6%、経過措置による全試験免除者を含む)。

今回の認定日本語教育機関審査で認定校となった、与野学院日本語学校(埼玉県さいたま市)の校長で、日本語教育機関団体連絡協議会(以下、協議会)の事務局も務める谷一郎氏は、審査を受けてみて、「審査のプロセスで、告示校として既に入管に提出している書類を、また文科省からも提出を求められ、改善すべきと思う点がいくつかあったため、協議会からすぐに改善の要望を文科省に提出した。日本語教育推進議連の応援もあり、二回目の審査からは改善された。

審査を受ける学校側としては、入管庁の告示校とは審査基準が異なるので、同じという意識では認定されるのは難しいと感じた。当校についても、申請準備が間に合うか分からなかったが、第一回目で申請した方が、たとえ認定されなかったとしても、改善に時間を充てられるので準備を進めた。申請に係る作業量は膨大だった」と話す。

現職日本語教員が登録日本語教員となるための「経験者講習(動画)」について谷氏は、「ボリュームが多いが、内容が濃く、充実した教材。『参照枠』についても時間を割いて説明され、新しい時代に合わせた、知識のアップデートに有効だと感じる」と話す。また、「認定日本語教育機関の申請をする上でも、まずこの動画を視聴し、理解を深めてから申請した方がスムーズになる」とも語る。

文科省の、すべての生徒がゼロから積み上げていく『学校教育』の考え方と、レベルや目標、学びたい期間もバラバラの生徒を対象とする『語学教育』とで、考え方が合わないところがある、と感じる日本語教育関係者は多い。「今の制度の中で、実態とも合うカリキュラムをいかに作るかが難しいところ」と谷氏は話す。

日本語教育推進法にて、「日本語教育は、国と地方自治体と事業主の責務」であると位置づけられた。日本語教員の地位向上や処遇改善が期待されていたが、現制度では処遇改善についての国の予算はつかないとされている。日本社会での日本語教育の必要性が益々大きくなる中で、法・制度がより良い内容となり運用されるために、行政と折衡する協議会等の役割は大きく、引き続きその活躍が期待される。



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