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向学新聞2025年1月号目次>日本で働く元留学生たち キリロワ アリナ さん

<向学新聞2025年1月記事より>
日本で働く元留学生たち
キリロワ アリナ さん
(ロシア出身)
444株式会社(マイナビグループ)
就活は諦めないこと
友達は卒業後も宝
―日本に留学に来た時のことを教えて下さい。
私は日本語に興味があって、高校生の時から学び始めました。日本語は、静かなメロディのようなきれいな言語だなと感じていました。日本に留学したいと考え、高校を卒業した次の日に日本に来ました。私が日本に留学することについて、母は少し寂しがっていましたが、父は「チャンスがあるうちにやってみたらいい」と背中を押してくれました。
―ロシアでは、日本への留学は人気なのでしょうか。
日本のアニメやゲームが好きで、そこから日本語に興味をもって学ぶ人は結構いると思います。
長沼スクール東京日本語学校、
東京電機大学未来科学部・情報メディア学科卒業、2023年9月から現職
―日本留学については、どのように情報を集めたのですか。
ロシアにいる時の日本語の先生から、先生が昔通っていた日本語学校を紹介してもらいました。長沼スクールです。その日本語学校には当時、ロシア人のスタッフがいたので、困ったことがあれば、彼女から色々なことを聞きました。
―アリナさんから見て、日本の社会はどのように映りましたか。
安全な国だなという印象でした。夜に一人で散歩をしても怖くありません。安全性が高いことは、とても素晴らしいことだと思います。
また、コロナ禍の時に、給付金などのサポートが、外国人も区別せずにありましたし、外国人も大切に思われているように感じ、有難かったですね。
―年半日本語学校で学んだ後、大学に進学されました。進学先はどのように決めたのですか。
将来はゲーム会社で働きたいと思っていました。IT系を学びたいと考えていましたが、東京電機大学には、未来科学部という学部があり、AI、VRの研究室があります。そこに入りたいと思って東京電機大学を受験しました。全部で三つの大学を受けて、無事全て合格できました。ITやロボメカの分野でしっかり学べる大学だと思ったので、東京電機大学を選びました。
―大学生活はいかがでしたか。
楽ではなかったですが、国際センターで先輩たちが気軽に声をかけてくれたので、知り合いが増えて何とかなりました。留学生は同じ国の人同士で固まるケースもあるようですが、私の場合、ロシア人は自分一人なので、友達を作るなら自ずと他の国になります。私は積極的に行動する性格なので、寂しくなったら、国籍に関係なく自分から声をかけます。一番の仲良しは日本人でした。
学生団体である留学生会の副会長を卒業まで務めました。みんなでワイワイすることが好きな性格なので、イベントを企画したり、運営したりとても楽しかったです。今の職場でも、ハロウィンパーティーで仮装したり、楽しいイベントをやっています。

―アリナさんは現在、日本では二社目の会社で働いていますが、就職活動・転職活動について、ご経験を教えて下さい。
私は学生の時は就職活動ができませんでした。ちょうどコロナ禍の時期だったため、一時帰国をしたら一年間日本に戻れなかったのです。ですから、大学卒業後の最初の一年は通訳をやり、第二新卒として就職活動をしました。その後、最初の会社にSEとして採用されました。その後転職をして、今の会社に入社し、ちょうど一年たったところです。今の職場はチーム内の雰囲気が良く、働きやすい環境だと感じています。
―仕事をしていて、大変なところや、反対にやりがいを感じるのはどのような時ですか。
大変だなと思うところは、税金をたくさん払わないといけないことや、長い休みが取れなくなった点です。大人になるというのは大変だなと感じます。
しかし、今の会社にはボランティア休暇というものがあり、今度その制度と有休休暇を使って、二週間ほど、イタリアのFISUというスポーツ大会の日本語ボランティアに参加してきます。短期であれば、海外にいて仕事をすることも許可がもらえました。会社の考えが柔軟だと、社員にとってはありがたいですね。
やりがいでは、今の仕事はやりたかった仕事なので、どれも楽しいです。特にやりがいを感じたのは、エンジニアメンバーが自主的に発案したプロジェクトが、上司の許可が取れて、実行したことがありましたが、その時はとても嬉しかったです。
―後輩たちに、特に伝えたいことはどのようなことですか。
まず、私の経験から、就職活動をしっかりして、卒業する前に就職先を決めておいたほうが良いです。卒業後の既卒や第二新卒の立場ではハードルがとても高くなります。
二つ目は、あきらめないことが大切です。国籍関係なく、就職活動は大変です。三つめは、学生のうちに、友達を作っておくと良いです。留学生は、身近に親や兄弟がいませんから、大変な時に励ましてくれるような友達の存在は大きいと思います。また、私は転職の時にLinked Inを使っていましたが、同じ大学出身の人の情報がきたり、知り合いの紹介で応募をすると書類選考のステップがパスできるケースもあります。
エンジニアを目指したい方は、うちの会社で開発した『TechFUL+』という学習プラットフォームもおすすめです。ITエンジニアのスキルを測定し見える化するプラットフォームです。
―これからの目標を教えてください。
プログラマーとして働きたいので、まずは経験を積んで自分のスキルアップを頑張りたいです。四~五年後には、マネジャーやよりレベルの高いことにチャレンジしたいと考えています。
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