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<向学新聞2025年4月号記事より>
文部科学省 日本語教育大会
文科省は2月10日、「文部科学省日本語教育大会」を開催した。同大会は、日本語教育関係者を対象とし、日本語教育に関する国の施策や様々な取組みの現状について理解の促進を図ることで、日本語教育の推進や水準の維持・向上につなげることを目的としている。1976年から2023年度までは、文化庁国語科において「文化庁日本語教育大会」の名で開催されてきたが、法整備によって、日本語教育の管轄が文科省になってから初の大会となった。
基調講演の中で国立社会保障・人口問題研究所国際関係部長の是川夕氏は、国際移住の潮流や留学生の動向、日本語教育の新しい役割などについて話した。アジアから先進国への国際移住では日本が最大の受入れ国となっていることや、主に高学歴層の移住希望先となっている点、アジアの経済成長は日本への移動を増やすという理論・実証からの予測が話された。また、円安の場合、期待収益が低下するが、移住コストの高さが来日のハードルとなっている局面では、移住コストの低下によりむしろ移住者を増加させるため、しばしば耳にする「『日本はもう選ばれない国』という議論は間違いであり、むしろその逆である」と話した。
また、「言語教育は統合政策の要であり、生活全般、特に労働市場へのスムーズな統合において重要」、「留学に加え、就労や生活といった多様な場面での日本語教育の重要性が高まる」とし、「日本語教育は、日本が国際的な人の移動の活力を取入れ成長していくにあたってのキープレイヤーとなることが予想される」と話した。
その後、日本語教育関係者や企業関係者、自治体関係者などのパネラーによるパネルディスカッションが行われ、それぞれの立場からの意見による活発な議論が交わされた。
日本語教育に関する法整備が進み、新たな局面に入った。日本語教育の重要性が再認識される中、人材確保や、国による費用の補助等、急いで検討すべき事は多々あるが、より良い体制が整うことが期待される。
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