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向学新聞2025年10月号目次>【スーダンから日本へ 留学生シャイマーさん】 大阪・関西万博ボランティアで大活躍
<向学新聞2025年10月号記事より>
【スーダンから日本へ 留学生シャイマーさん】
大阪・関西万博ボランティアで大活躍
―シャイマーさんは、日本語がとても上手です。日本のアニメをよく見ていたそうですね。
はい、私は小さいころから日本のアニメが大好きでたくさん観ていました。テレビではタイガーマスクやちびまるこちゃん、一休さん、キャプテン翼などです。テレビではアラビア語の吹き替えでしたが、その後インターネットで、コナンやるろうに剣心、ハンターハンターなどをアラビア語や英語の字幕で観ていました。そのおかげで、英語力が向上し、日本語も覚えることができました。語学以外にも、日本のアニメからは、諦めないことや友情の大切さ、礼儀についても学びました。日本のアニメは、私に大きな影響を与えてくれました。
日本との関わりでは、スーダンでJICAや国連職員の日本人と友達になり、お互いに言語を教えあったり、家を行き来する親友になりました。
私の両親が教育熱心で、私も勉強が好きだったので、勉強はいつもトップの成績でした。スーダンのハルツーム大学で学び、卒業後は大学で教員をしたり、臨床検査技師として病院で働きました。その後、日本の奨学金の試験に合格したので、念願の日本に留学することができました。

Shymaa Ali Saeedさん
ハルツーム大学 医療検査科学学部(医学微生物学と免疫学)卒
2019年来日、大阪大学 生命機能研究科 学部 微生物病研究所(RIMD) 修士、博士2025年9月卒業
日本語の言語を教室で勉強したことがありませんでしたが、日本に来た時点で、基本的な会話ができるだけの日本語会話力が身についていました。その後、6か月間日本語学習を始めましたが、先生から、「シャイマーの日本語はアニメっぽい」とよく言われました。
―スーダンはどのような国ですか。
とてもあたたかい人間関係の文化があります。友達の友達もよく一緒にご飯を食べたり、仲良くなります。結婚式は、おめでたいイベントなので、兄弟の友達や、会ったことがない人もたくさん集まってお祝いします。JICAの親友も、スーダンの結婚式を体験してみたいと言っていたので、私の友達の弟の結婚式に一緒に行ったこともあります。彼女は、遠い日本から来ていましたが、スーダンでさみしく感じたことはないと言っていました。朝は私の家で朝食、昼はまた違う知人の家で昼食、夜はまた別の友達の家で、ということがよくあります。家は人を招いてゆっくり交流するための場所という意識です。
スーダンの文化でもあるし、私はイスラム教なので、その考え方も影響しています。困っている人がいれば、家に来てもらい、1週間でも1か月でも滞在してもらい、ごはんも一緒に食べながら助けます。
その親友が横浜で結婚式をしましたが、私を招待してくれました。日本での結婚式は、とてもプライベートなものなので、私は招待されてとても嬉しかったし、貴重な経験でした。
―大阪・関西万博では、ボランティアとして活躍されていますね。
私は長く住んでいる大阪には愛着があります。大阪で万博という国際的なイベントが開催されるのなら、楽しめるイベントとして盛り上げたいと考えました。また、母国語のアラビア語と、日本語・英語力が、必ず役に立つと思い、ボランティアに応募をました。
様々な活動に参加しましたが、今日はUNDP(国際連合開発計画)のボランティアとして、国連パビリオンでの活動をお話します。TICAD9(アフリカ開発会議)の開催に合わせて、UNDPではアフリカウィークを8月17日~24日に開催しました。アフリカについて知ってもらうための取り組みです。
ワークショップは、ただアフリカのテキスタイル(織物や民族服)の展示を見るだけではなくて、楽しくて心に残る体験をしてほしいと考え、アフリカの民族服を着て、写真を撮る内容を考えました。私の他に、ウガンダ、ブリキナファソ、ジンバブエのボランティアの友達で、自分達の服を落ち寄りました。国連パビロンは、動画を見終わるとみんな出てきますが、そこで私が「ここではアフリカの服を着る体験ができま~す、みなさんどうぞ~!」と日本語で話しかけました。そうするとみんな「え~!」とびっくりしていました。私の見た目と、日本語がペラペラ話せることのギャップがあるからですね。
アフリカの服はとてもカラフルできれいです。色々な服を手に取りながら、来場者の方も目がキラキラして「これ着てみたい!」と言ってくれました。服を着る準備をする間に、私は積極的に話しかけました。「スーダンという国について聞いたことありますか?場所は知っていますか?」「場所はここですよ。何語を話すか知っていますか?」「この服は結婚している女性の服です」といった内容です。たくさんの人が来てくれて、一緒に写真を撮りました。
多くの人は、アフリカというと、ピラミッドや動物、貧困の子供など、イメージが一部分の狭い範囲でとどまってしまいがちです。それは、関わる機会が少ないので仕方のないことです。ですから、私は万博で、直接多くの人に自分の国を紹介できたとは、とても貴重で嬉しい経験でした。
―ほかにはどのようなボランティア活動をしたのですか。
4月には、オマーンパビリオンのオープニングセレモニーに、アラビア語翻訳者として参加しました。他には、留学生支援コンソーシアム大阪(OGSA)主催の留学生の日本語スピーチコンテストや、多くの留学生と一緒に万博を訪問し、日本人客やパビリオンスタッフにインタビューをする活動もしました。その様子はSNSにアップしているので、ぜひ見てください。大阪の情報サイトの企画で、留学生レポーターとして、万博のいくつかのスポットをレポートもしました。
スーダンの展示は、コモンズDという建物に、複数の国と一緒に入っています。アラビア語圏の国の他の国の方とも仲良くなり、母国語で話せる楽しい時間でした。
9月には、スーダンから来た大臣や政府代表者に対して、日本語・アラビア語の通訳をしました。また、スーダンへの投資家誘致のワークショップも開催しました。
この夏は、論文審査の時期と重なり、ハードな日々でしたが、忙しい中でも、みんなが楽しんで喜んでいる顔を見ると、私もポジティブパワーをもらえましたし、普段は会うことがない要人と会う機会もあり、とても刺激的な日々でした。
―これからビジョンを教えてください。
8月に、「万博の跡地をどのように活用したらよいか?」と考えるワークショップがありました。私の提案は、「世界平和のためにコンファレンスホール」です。テクノロジーが発展した現代ですが、まだ平和な世界とは言えません。私の国、スーダンでも争いがあり、危険な地に私の大切な人がまだたくさんいます。心が痛くて、たまに我慢ができずに涙が出ます。どうすれば平和な世界になるのかは、私にとって大切なテーマです。ですから私は国連に興味があり、国連パビリオンのボランティアに応募しました。
将来は自分のスキルを活かして人々の役に立ちたいので、国連やJICAなどの人道支援組織で働きたいです。

民族服体験をする来場者と
UNDPチーム、国連パビリオンマネージャーと

留学生リポーターとしての活動

ガンダムの前で

エチオピアとヨーロッパの大使館代表者への説明

スーダン駐在の日本大使
<参考(外部リンク)>
@studyinosaka
Osaka Metro NiNE
向学新聞2025年10月号目次>【スーダンから日本へ 留学生シャイマーさん】 大阪・関西万博ボランティアで大活躍
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