Top向学新聞留学生就職活動体験談>張暁明 さん


張 暁明さん (中国出身) 
(上智大学 経済学部4年  内定先/大手金属メーカー) 


日本社会に恩返しを
ES「ゴキブリのような人間」とPR

画像の説明


写真の洗浄作業


――なぜ日本に留学を。
 戦後急速に発展した日本経済とものづくりに興味があったからです。来日したのは2008年で、日本語学校、専門学校を経て上智大学に入学しました。上智大学は日本で最もグローバル化が進んでいる大学の一つで、就職も見据えて経済を専攻しました。

――どのような大学生活でしたか。
 中国人留学生会の活動に最も力を入れ、副会長を務めました。印象的だったのが、被災地である岩手県釜石でのボランティア活動です。老人ホームの訪問、海岸清掃、引越しのお手伝いなど色々しました。その中でも、瓦礫の中から発見された写真アルバムなど思い出がつまった品々の洗浄作業は忘れることが出来ません。人の命は脆くいつ失うか分からない。だから生きている間に家族や友人を大事にしなければいけないと思いました。アメリカや韓国など他にも留学生がたくさんいたことにも驚きました。


――得難い体験でしたね。学生生活を経て、なぜ日本で就職しようと思ったのですか。
 日本留学の理由と同じで、何が日本のものづくりを支えているのかを勉強したかったからです。

――なるほど。では、どのように就職活動に取り組みましたか。
 大学3年生の6月からインターンシップへの参加や人脈作りを積極的に行ないました。就職活動は情報収集が重要なので、留学生の就職活動を支援する方々や企業説明会などで出会った留学生と連絡先を交換しました。また、留学生同士で就職活動の情報共有や対策を行うグループも作りました。
 応募の時期になると、志望業界を絞らず知っている会社や興味がありそうな会社全てにプレエントリーしました。プレエントリー数は200社程になります。最初から企業を選り好みせず、チャンスを失いたくなかったからです。早い段階で内定を頂いた企業があったので、エントリーシートの提出は25社に絞りました。最終的に4社から内定を頂くことが出来ました。


どこでも輝く


――就職活動を成功させた秘訣は何かありますか。
 人事の方の印象に残るため、どこに行っても輝くよう工夫してきました。例えば、学生が300~400人集まったある企業説明会での質問時間。企業の求める人材像が、「大声で自分の意見が言える人」だったのでマイクを使わず質問をすることでインパクトを残しました。
 また、入社予定先の人事担当者全員が私のことを鮮明に覚えてくれていたようです。エントリーシート提出の際、「自分を一言で表現して下さい」という問いがあり、「私はゴキブリのような人間です」と答えたからです。困難があっても最後まで頑張る根性を「ゴキブリ」という興味を引く言葉で表現しました。
 面接でも印象に残ることが大事で、面接官が質問したくなるような話をして、逆に面接をリードするぐらいの意気込みでした。


面接官の立場に


――それは凄いですね。しかし、いざ面接の場になると緊張してしまうことがほとんどです。どのように面接に臨む心構えを準備したのでしょうか。
 面接官がどのような気持ちなのかを知ることで、何をどのように話せばよいのか分かるようになります。私の場合、留学生同士の就活対策グループで、学生同士お互いに面接官役を担当しながら何度も面接練習をしました。

――なるほど。就職活動を成功させるために数多くの工夫をされていますが、なぜそこまで努力出来たのですか。
 大学卒業後すぐ母国に戻ってしまっては、日本で苦労したことが無駄になってしまうと感じ、何とか日本で就職したいと思っていたからです。大学入学後はスーパーで週3~5日、夜23時から朝の9時まで深夜バイトをして、そのまま授業に出席するというスケジュールをこなしました。親からの仕送りを使うことも出来ましたが、一人の男として自立したいと考えていたからです。さらにバイト代に加え、大学や民間企業からも奨学金を頂きながら学生生活を送ってきました。自分がこれまで日本から頂いたものを日本社会に還元し、精一杯恩返しをしたいと思います。



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