北澤 竜一氏
(中央大学 キャリアセンター キャリア支援課副課長)
働いている人とFace to Faceで話を
志望動機に直結する業界・企業研究の深さは就職活動が上手くいくかどうかのターニングポイントだ。今回は、「業界・企業研究は生の声を聞こう」というテーマで中央大学の北澤竜一氏にお話をお聞きした。
OB・OG訪問
――業界・企業研究は就職活動に欠かせません。どのような方法があるでしょうか。
厚生労働省によると、現在大学卒業3年後の離職率は3割を超えています。学生が企業に入社した後、「こんな仕事はしたくなかった」と感じてしまうのは、業界・企業研究不足によるミスマッチが大きな原因の一つではないでしょうか。ニュースや企業ホームページなどを通して情報を収集することは必要ですが、業界・企業研究において最も重要なことは、OB・OG訪問等を通して「実際に働いている人の話をどれだけ聞くことができるか」だと思います。
特に留学生の場合、自分と似た立場だった外国人社員の方の話は非常に参考になるはずです。興味がある業務内容を実際に出来るかどうかは働いている人でないと分かりません。「入社後、職場になじめるだろうか?」、「どのような文化の違いがあるだろうか?」などの疑問を直接聞くことが出来る貴重なチャンスにもなるでしょう。本学も、就職活動生がOB・OGと交流できる機会を増やしているところです。
熱意を伝える
――実際に働いている人の声を聞かなければ、会社を深く知ることは出来ないですよね。
そうですね。生の声はそのまま志望動機にも繋がります。ウェブ等で簡単に入手できる表面的な情報を面接でアピールしても面接官の印象にはあまり残りません。例えば面接で、「同じ業界のB社ではなくなぜ我々A社を志望したのか?」と聞かれた場合、A社で働いている先輩社員の存在が自分ならではのアピールポイントになる可能性があります。OB・OG訪問をしていれば、「御社で働く先輩の話をお聞きしました。社風が自分の性格や志向に合っていると感じ、存分に力を発揮できると思います!」と説明できるわけです。
――なるほど。先輩社員との交流は、自分の将来像を具体的にイメージしやすくなるということですね。
企業には素晴らしい理念やビジョンがあり、その思いを実現するため、社員一人一人がどれだけ汗を流し、なかなか人目につかない泥臭い仕事に取り組んでいるのか。それを知らずして、その企業で本当に働きたいとは言えないでしょう。そこまで深堀りした話こそが面接官の心に響くはずです。業界・企業研究をどれだけ深く追求するかは、企業へ熱意を伝える本気度の証であり、その奥深い内容を知るためには、Face to Faceで話をするしか方法がないのです。
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