Top向学新聞日本で働く留学生OBたち>李 蕊さん


李 蕊さん (中国出身) 
(アイア株式会社) 


自分の人生は自ら切り開く 戦略的な就職活動を

――現在の業務内容を教えて下さい。
 アイアはアパレル事業を展開している会社です。私はバッグなど小物の生産管理の責任者を務めています。デザイナーの頭の中にあるイメージを商品化してお客様に届ける仕事で、とてもやりがいがあります。
 具体的には、国内や中国の生産工場の方と一緒に、デザインに合う素材や適切なコストを決め、次にサンプル商品を作って最終確認をします。責任者として、お客様にお届けできる商品かどうかの最終判断を下すのが私の仕事です。

――なぜアパレル業界で働こうと思ったのですか。
 元々は大学院で日本語を専門に勉強していましたが、将来は自分の好きな分野を仕事にしたいと思ったのです。それまで両親のアドバイスを参考に進路を決めてきた部分があったのですが、自分の人生は自分で切り拓かなければいけないと考えました。それで、専門は全く違いますが、好きだったアパレル業界に就職しようと決断しました。

――日本と中国を跨いで仕事をする中で、気をつけていることはありますか。
 どうすれば自分の存在を活かせるかだけではなく、どうすれば周りの人を幸せに出来るかを考えています。頻繁に中国現地の工場に行く機会がありますが、日本・日本人の良さを常に伝えるようにしています。「日本人は誠実で、言ったことは必ず守ってくれる。だから、心配せず一緒に良い商品を作りましょう」と話し、信頼関係を築いています。

――素晴らしいですね。では、どのような就職活動を行ったのですか。
 インターネットや本を有効活用して、戦略的に就職活動を行いました。まず、アパレル業界に関する本を何冊も読み、職種や仕事の流れを調べました。アパレル事業は大きく分けて、企画・生産・営業の三つに分類できます。私は専門知識がないため、デザインなどの企画を担当するのは困難ですが、生産部門ならできるのではないかと思いました。母国中国に生産工場が多く立地しており、語学力を活かすチャンスがあると考えたのです。また、インターネットで企業についてよく調べ、数社に絞って応募しました。そして、無事第一志望のアイアに就職できました。

――志望業界の状況と自分の強みをよく分析・理解されていたのですね。最後に、就職活動を行っている留学生にアドバイスをお願いします。
 まずは、業界や企業についてしっかり調べることです。そして自分なりのビジョンを持つべきです。事前のリサーチと自分の考えが固まれば、あとはありのままの自分をぶつければいいと思います。



a:5194 t:1 y:1