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アラム・イムロズさん(インド出身)
(NEC HCL ST)
外国人エンジニアが感じる「障壁」
日本企業は受け入れ方針を明確に
――外国人エンジニア受け入れの課題点とは。
現在、外国人エンジニアが多くの日本企業で働いていますが、宗教の問題や雇用の際の法的手続きなど、様々な障壁を感じている人が多いです。そもそも外国人に対してオープンでない会社も多いような気がします。
また、生活や異文化適応の問題もあります。日本人の考え方をあまり知らずに来るとカルチャーショックが大きく、生活の仕方もわからずに困ります。外国人には最初にオリエンテーションを行って日本事情を説明し、最初の2週間~1カ月程度はトレーニングをしてから仕事をさせるべきです。そうしないと日本がいやになって帰ってしまう可能性もあります。
ITエンジニアは世界中どこでも仕事ができるので、日常生活が楽なところで働きたいのです。インド人の場合、米国・英国・日本という選択肢があれば、言語に困らない米国か英国を選ぶでしょう。日本は外国人IT技術者を欲しがってはいますが、まだ受け入れ態勢の準備が足りないと思います。
例えばエンジニアはプロジェクト単位で来日し、短期で帰るケースが多いため、別に日本語は勉強しなくてもよいと考える人が多いです。いっぽう、日本語と英語の両方わかる人を別に雇って外国人エンジニアの面倒を見させるようにしている企業もありますが、そうしても生活になじめない人が出る場合があるようです。
もし、会社として最初から「2~3年は雇います」とはっきり約束してくれるのであれば、きっと彼らも自分から日本語や日本文化について勉強し、馴染んでいこうとすると思います。最初からしっかりした受け入れ方針を決めて態勢を整備することができない企業はうまくいかないでしょう。
企業だけでなく日本政府も、今後海外現地での日本語教育や広報活動を充実させていくことが必要だと思います。インドから留学しに来てもらうという発想だけでなく、インド現地で日本のよさを活発に宣伝し、関心を持ってもらうようにするべきではないかと思います。