Top向学新聞今月の人ウラコワ マハバットさん


ウラコワ マハバットさん (キルギス出身) 
(国士舘大学21世紀アジア学部3年) 


留学生活変えたホムーステイ  「いじめ」は競争社会が原因

――留学のきっかけは。
  私はもともと母国で日本語を勉強していましたが、それが話されている社会を実体験したいと思い来日しました。留学してよかったことの一つはホームステイで、受け入れてくれているお母さんがとてもいい人なので感謝しています。来日して間もないころは勉強やアパート探し、アルバイト探しなど本当に大変なことが色々あり、自分を支えてくれる人がいないつらさを味わいました。孤独感を感じ何のために生きているのか分らなくなるときさえありましたが、ホームステイで家族の暖かさと大切さを知り、それ以来留学生活が変わりました。今では、日本で体験したこと全てが、自分が成長する糧となったのだと思えます。
  私の専攻は国際関係学です。母国のキルギス共和国はソ連崩壊後独立した新しい国ですから、現在様々な分野の専門家を必要としています。私は将来、留学で学んだことを生かし、外交の分野で活躍したいと思っています。
  異文化というものは体験してみないと理解できないもので、日本での留学生活のことはある程度本で読んだりしていましたが、本に書いてある日本人と実際の日本人とは違うのです、ホームステイをしていますから、もちろん日々の生活の中で日本とキルギスの文化の違いを肌で感じることができます。お互いの文化をよく知ることこそ国際関係の発展の第一歩だと思います。
  私から見ると、多くの日本人は非常に親切です。それで私が今研究課題としているのは、どうしてそんなに親切な日本人のあいだに「いじめ」というものが存在するのかということです。これについては私は、日本社会はあまりにも競争が厳しいため、自分の周りの人々を引き下げようとする心が無意識に働くからではないかと考えています。
  国際関係はこのように、お互いの文化の良い面だけでなく弱点も知ったうえで考えていかなければならないものだと思うのです。