Top向学新聞今月の人朴 守喆さん


朴 守喆さん (韓国出身) 
(東京農業大学国際食料情報学部2年) 


米日韓貿易について勉強  世界は競争から共存関係へ

――日本留学のきっかけは。
  私の専攻はバイオビジネスで、農産物を売るマーケティング、農業経営や情報の分野など全てが含まれた実用的な分野です。日本では、韓国よりも比較的土地が広いこともあって、この分野の研究は進んでいます。将来は、アメリカ・日本・韓国の貿易について勉強し、アメリカの貿易会社に就職したいと考えています。ならばアメリカに留学することが一番良いのになぜ私が日本を選んだかといえば、勉強を続けていく上で日本の環境が私に合っていたからです。言語面でも韓国人にとっては日本語の方がいいし、考え方の面でも、もしアメリカに行けば適応するのに長い時間がかかります。私は日本でもただ適応するためだけに2年かかりました。私が本当にやりたいことをする力は、ある程度その国に適応してきてからはじめてできるのです。また、日本では奨学金も得られ無駄な時間を使わず勉強だけに集中できます。これらを総合的に考えて日本が良いと考えました。

――昨今の日韓交流について。
  韓国では映画や音楽などの分野では日本に関する規制が解禁されてきて、日本文化の流入の度合いは驚くほどです。例えばレコード店に行っても韓国の歌が聞こえてこないくらいで、まるで韓国文化が日本の文化であるかのように思える時さえあります。この2年で韓国に帰るたびに状況が変わっているのには本当に驚かされます。

――これからの日韓関係に対する期待は。
  若者はともかく、やはり年配の方は日本との距離感があるようですが、今までのように競争関係を続けるより、これからは一緒に歩いていく共存関係を築くべきです。現に世界においてはそのような現象が進んでいますし、途上であるにせよその方向性は正しいと思います。国際交流は文化面から始まって経済分野に進み、最後に残るのは政治面ですが、それを過去の分まで全部解決できれば、それぞれ本当にいい友人になることができ、日本、韓国、中国、台湾など東アジア諸国が世界の中心になっていけると思います。