林 成勲さん (韓国出身)
(法政大学経営学部)
(在日韓国留学生連合会会長)
留学中こそ同国人の交流は大事 アイデンティティー認識の機会に
私が日本に留学したきっかけは、父が貿易会社を経営しており、東京支社がある関係で日本とは頻繁に行き来していたので、私も以前から日本の話は聞いていて親しみがあったからです。しかし最大の動機は、やはり「日本が好きだった」ということです。日本のアニメやゲームは韓国ではごく普通に見られ、私はそれらを韓国のものだとばかり思っていましたが、後に日本が発祥だと知ったものがいくつもありました。
実際に留学してみると、言葉や文化など生活レベルではそれほど大きな違和感はありませんし、社会に目を向ければ企業は子会社を非常に大切にし、末端の店舗の店員に至るまで優しく親切であるなど、様々な良い点が見出せました。よく日本人の友人ができないという人がいますが、ただ待っているのではなく自分から積極的にアプローチしていけば、一生の友人になるような人も見つかるのではないかと思います。
しかし逆に、日本にいるからこそ韓国人どうしの付き合いも大事にするべきです。というのも、最近は日本に来ても「韓国人」としての自分の立場がわからない人が多いからです。例えば韓国で行われる日本留学の説明会に、学生のための相談員として参加したことがありますが、中学2年生や親までが相談に訪れ、皆とにかく海外留学に熱心です。しかし学生の話を聞くと愛国心や帰属意識はあまりなく、非常に個人主義的な動機の人が多いのです。
留学生の皆さんは、留学中にこそ同国人どうしが集まる会などに積極的に参加し、交流と結束を深めて、自己のアイデンティティーを認識する機会にしてほしいと思います。