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中国の留日経験者ネットワーク化を


データベース「利用したい」9割以上

  独立行政法人科学技術振興機構・中国総合研究センターは4月、「日中の研究者の交流状況に関する現状及び動向調査」報告書を発表した(調査委託先・株式会社三菱総合研究所)。中国留日経験帰国者のネットワークおよびデータベースを構築するため、中国にある日本留学者の同窓会を通じてアンケートによる意識調査を行い、113件の回答を得た。
  調査結果によると、留学先は大学が51・3%、大学院が45・1%、研究所が22・1%の順で(複数回答)、取得学位は修士が7・1%に対して博士が33・6%と高学歴の人材が多かった。報告書はこの原因について、「中国政府の規定で『海外の大学で学位を取得した場合』と、優遇措置を受けられる条件が明記されているため」だと分析している。
  学んだ分野は生物(21・2%)、化学(18・6%)、材料(10・6%)などが突出して多くなっていた。具体的には有機材料等の化学物質、バイオテクノロジー、ナノマテリアルといった最先端の学術分野を選択しており、これらの分野で日本留学に強みがあることがうかがわれる。現在の所属については、大学が68・1%と圧倒的に多く、日本の大学等で学位を取得した後も中国の大学で研究を続けているケースが多いことが分かった。
  また、人材情報を蓄積するためのデータベース・システムのイメージ資料を作成し、アンケートサイトに掲載して留学経験者からの意見を収集したところ、利用したいとの答えは93・8%、自分も登録したいとの回答が91・2%にのぼった。帰国者どうし、あるいは日中間で相互交流を行うプラットフォームを望む声があがっており、単なる地域的な同窓会を超えた、興味関心に合うネットワーク作りへのニーズが非常に高いことがわかった。ほとんどの回答者が、データベースには自分の名前や勤務先名、興味のある分野をのせてもいいと答えていたことから、例えば中国全土を対象に同じ興味関心を持つ日本留学経験者を検索するといった用途も想定される。
  昨年日本政府が立ち上げた留学生三十万人受け入れ計画においても、帰国留学生のネットワーク化は重点施策の一つとして掲げられている。これまで課題とされてきた留学後の人的交流を促進するためにも、早急な基盤整備が期待されるところだ。