向学新聞2009年11月号
日本語教員養成の実態把握へ 文化庁
カリキュラムなど調査
文化庁の「日本語教員等の養成・研修に関する調査研究協力者会議」(座長/杉戸清樹・旧独立行政法人国立国語研究所名誉所員)は10月、新たな日本語教員養成の在り方を探るため、現行の養成課程の実態調査を行う方向性を示した。
留学生が年々増加する一方、資格を持つ日本語教師の不足が恒常化している。同会議はこのような現状を踏まえ、日本語教師が備えるべき資質を明らかにし、教師養成カリキュラムの課題点を洗い出そうとするものだ。
会議において委員らは、日本語教育が多様化している現状を指摘。「日本語学校では大学進学を前提とした学生だけでなく、ビジネスマンや日系人、国際結婚の配偶者などの受講も増えてきている」として、教員にも政治経済に関する知識や生活者としての社会経験など「社会性」が求められているとの発言があった。これに関して「社会性」の中身が何であるか実態把握を求める意見が出された。また、社会経験を持つ人材が、日本語教師養成講座の中でさらに社会性を育めるよう、質の高い教育を目指すべきだとの提言もあった。
今後、教師養成現場などの実態調査を行って、2010年2月までに結果を取りまとめ、同年7月をめどに報告書案を提出する予定だ。
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