向学新聞2009年11月号
新たな成長戦略会議が始動 経済産業省
アジア人材受入れ方策など検討
経済産業省は10月21日、「成長戦略検討会議」(議長/直嶋正行経産相)の初会合を開いた。民主・鳩山政権下において、発展するアジアの活力を取り込む新たな経済成長戦略を策定しようとするものだ。今後、少子化対策や、中国などを視野に入れた外需獲得策などを議論していく。
当日は、勝俣宣夫・丸紅会長や、関志雄・野村資本市場研究所シニアフェローなどが参加。委員からは、日中韓FTAの推進などに関する積極的な発言が相次いだ。人材分野については、中国などの人材をより積極的に受け入れるべきだとの意見や、アジアの中産階層で英語・中国語・母国語ができるコア人材をいかに留学生や労働者として取り込んでいくか、などの問題提起がなされた。また、優秀な留学生が香港やシンガポールに流れている現状から、ビザ発行の基準緩和など規制の見直しにより、新たな需要を国内に生み出すべきとの意見も出された。ハイレベルな研究者の招致に関しては、日本語を話せなくても生活できるくらいの環境整備が必要だとする意見もあった。
今後は毎回、5~7名ずつの有識者を招き、大臣、副大臣、大臣政務官を中心にした「政務三役」がコアメンバーとなって意見交換を行う。11月中旬ごろまでに集中的に6回程度開催し、他省庁との協議を経たうえで、年内に成長戦略の骨格を固める。
国土交通省でも10月6日、観光など4分野を軸とする省独自の成長戦略会議を開くことを前原誠司国交相が表明しており、今後省庁間の連携も課題となりそうだ。
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