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向学新聞2010年1月号記事より>


外国人留学生13万人超
 

前年比9000人増の過去最高 
増加基調鮮明、中国が伸び牽引 (日本学生支援機構発表)

日本の大学等で学ぶ外国人留学生が過去最高の13万2720人(2009年5月1日現在)となったことが、独立行政法人日本学生支援機構(本部/神奈川県横浜市、梶山千里理事長)の統計で明らかになった。留学生総数は2005年に12万人を突破して以降横ばいとなっていたが、2008年から増加を始め、2009年は8891人増(7・2%)と大幅な伸びを見せて増加基調が鮮明となった。学校種別でみると、大学学部・大学院・専門学校のいずれにおいても過去最高の留学生数を記録している。

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  国籍別の内訳は、中国が例年通りトップで7万9082人と、全留学生の6割(59・6%)を占めている。次いで韓国の1万9605人、以下台湾、ベトナム、マレーシアと続いている。
  前年比の伸びは中国が6316人(8・7%)増と最多で、増加数全体の7割以上を占めている。中国からの留学生数が、在日留学生の動向を大きく左右する構図は変わっていない。2006年には中国出身者が前年比6300人減少し、留学生総数でも3885人の減少を招いた。その後2008年には前年比1489人(2・1%)増となって回復の兆しを見せ、今年はそれを大きく上回る伸び率となって総数の増加をけん引している。
  いっぽう韓国は前年比743人(3・9%)増で、前年の1588人(9・2%)増と比べると約半分の増え幅となり、勢いは弱まったかのように見える。
  留学生数は、日本語学校在籍者数ともある程度連動していると考えられる。財団法人日本語教育振興協会の調査によると、2008年7月1日現在の日本語学校学生は、中国が前年比2170人増(1万7968人)、韓国が前年比1293人増(1万528人)だった。中国と韓国の間に留学生数ほどの大きな差は認められないが、全体では前年比で3274人増だったことから、二国の増減がほぼそのまま総数の増減に反映している状況がうかがえる。
  また、同協会が行った私費留学生の進学経路分析によると、日本国内の日本語教育機関(大学別科等を含む)を経て大学等に進学した者の数が4万3349人だったのに対し、海外から直接入学した者の数は3万4027人と、国内進学者数にそれほど劣らない現状が明らかになった。
  この背景には、大学等が直接海外に出向いて入試や面接などを行い、学生を獲得する動きが活発化していることなどが考えられる。文部科学省の2006年の調査では、大学間の交流協定の締結国で最も多かったのは中国の2565件(19%)。次いでアメリカ、3位が韓国の1467件(10・9%)だった。海外拠点の設置国でも中国が57拠点(20・7%)と最多、韓国は4位の19拠点(6・9%)だった。同じく2008年の文科省の調査では、海外拠点を持つ67大学のうち46%が、留学生受け入れに向けたリクルート活動(入学選考を含む)を行っており、ダブルディグリープログラムへの支援や留学生への予備教育を行っている割合も3分の1に上った。こうした動きが、海外からの直接入学者増の一因になっているとも考えられる。
  2009年に留学生受け入れ数が最も多かった大学は、早稲田大学(私立)の3114人。調査開始以来、一校で留学生数3000人を突破した初の事例となった。前年比では500名以上の増加となっている。次いで立命館アジア太平洋大学(私立)の2786人、東京大学の2473人と続いている。4位の筑波大学は1522人で東京大学とは1000人近くの差があり、以下、1000人台の大学が10校以上、僅差で続いている。


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