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向学新聞2010年10月号


「キャンパス・アジア」の拠点設立

文科省概算要求
 

アメリカの大学との交流強化

 文部科学省は2011年度の概算要求に、「大学の世界展開力強化事業」として新規で30億円を盛り込んだ。政府の「新成長戦略」が掲げる、「日本人学生の留学30万人、留学生の受け入れ30万人」を達成するため、「キャンパス・アジア」構想の牽引役となる拠点を形成する。
 「キャンパス・アジア」構想は、昨年10月の日中韓サミットでの三国間の合意に基づき協議が進められている。東アジア共同体の構築を見据え、その中核となる拠点を形成するため、日中韓政府が策定するガイドラインに沿って、三カ国の大学間で単位相互認定や成績管理、学位授与などを共通の枠組みのもとで行おうとする取り組みだ。これを実現するための「日中韓トライアングルプログラム」の開発・実施を支援する。また、海外大学との双方向での交流プログラムや、海外拠点における戦略的な日本語教育の実施を支援する。初年度は1拠点9850万円を20拠点に支援することを目指し、20億円を要求している。
 また、アメリカ等の大学との協働教育プログラムの開発を支援し、双方向の交流を支援する。近年、日本人学生の留学先首位であるアメリカへの留学生数は、2004年の4万2215人から2008年には2万9264人へと急減しており、学生交流の双方向性の確保が課題となってきた。そこで、アメリカ等の大学と教養教育の共通基盤を整備したり、Eラーニングやダブルディグリープログラムなど新たなスタイルによる協働教育プログラムを開発する取り組みを支援する。これらによってアメリカ等の大学と強固なネットワークを構築することを目指す。この事業は10件に計10億円を要求している。
 また、奨学金に関しては今年から、大学間交流に基づく3カ月未満のショートステイ(外国人)・ショートビジット(日本人)も対象に加え、それぞれ7千人、17億円ずつを概算要求に計上している。



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