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向学新聞2012年3月号記事より>


留学生13万8千人で微減
 

留学生受入れ促進の対策急務   日本学生支援機構調査

 大学などの高等教育機関に在籍する外国人留学生が13万8075人(平成23年5月1日現在)で、過去最高を記録した前年度より3699人減少したことが独立行政法人日本学生支援機構の調査で明らかになった。

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 財団法人日本語教育振興協会によると、日本語学校に通う留学生は3万3122人(平成23年7月1日現在)で、前年度より約1万人減少したことが分かっている。大学に入学する外国人留学生のうち約6割が日本語学校を経由しており、留学生受入れ促進の対策が急務となる。
 大学などに通う留学生のうち、中国人学生は前年度より約1000人増の8万7533人で留学生全体の63パーセントを占めている。一方、中国の次に多い韓国人学生は2562人減の1万7640人となった。台湾4571人、ベトナム4033人、マレーシア2417人と続く。
 高等教育機関の中国人学生は微増しているが、日本語学校の中国人学生は前年度比7000人減と震災の影響で大幅に減少し、大学進学者数に影響を与えることは必至だ。2000年頃から右肩上がりだった留学生数の最大の要因は中国人学生で、2000年代前半には高等教育機関の中国人学生が1万人以上増加する年が続いていた。2001年~2002年の約1万4千人増は過去最大の増加数を記録している。しかし、震災前の2010年は約7000人増でピーク時からは半分の増加数となった。他国の留学生の増加数も高くはなく、留学生受入れ促進の課題はもともとあった。
 UNESCO統計研究所によると、世界最大の留学生送り出し国は中国の約40万人(2009年)で、米国、日本、豪州が中国人留学生の留学先上位となっている。日本にも一定の学生が留学しているものの、他のアジアの国々から人気が高いのは米国、豪州、英国で、日本が後手に回っている状況は否めない。同研究所によると実際に、ベトナム、タイ、マレーシア、フィリピン、シンガポール出身の学生の留学先として、日本はどの国のトップ3にも入っていない。
 2009年の全世界の留学生数は約370万人(OECD発表)で、アジアからが半分以上を占めている。留学生全体としてもその数は今後更に増加していくと予想されている。日本で学ぶ留学生の柱である中国、韓国、台湾はもとより、広くアジア、世界に開かれた環境整備、PRが鍵となる。




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