<向学新聞2013年4月号記事より>
留学生数13万7千人で横ばい
中韓からの受入れ伸び悩み
2012年に大学等で学ぶ外国人留学生数が、13万7756人で対前年比319人減とほぼ横ばいだったことが明らかになった。日本学生支援機構(JASSO)が2月8日に調査結果を公表した。2008年から3年連続で過去最高を記録していたが、2010年の14万1774人で頭打ちとなっている。
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国・地域別では、中国が8万6324人(1209人減)で62・7%を占めている。以下、韓国1万6651人(989人減)、台湾4617人(46人増)、ベトナム4373人(340人増)、ネパール2451人(435人増)と続く。
外国人留学生数の伸び悩みには、大きな割合を占めてきた中国と韓国からの留学生数減少が背景にある。特に韓国からの留学生数減少は深刻だ。
日本語学校に通う韓国人学生は、2008年の1万528人をピークに減少傾向に転じた。2012年に日本語学校の韓国人学生は約2700人とピーク時の4分の1となり、今後高等教育機関に与える影響は必至だ。一橋大学国際教育センターの太田浩教授は、「英語に対する学習熱が日本とは格段に違い、英語圏への留学がより盛んになっている。また、近年の韓国経済と科学技術の発展に比べ、日本経済は停滞しており留学先としての魅力が低下しているのだろう」と指摘する。
さらに、中国と韓国の経済関係の深まりが韓国人学生の留学先に影響を与えている。日本貿易振興機構によると、韓国の対日輸入額の割合が約10年間で19・7%(2000年)から12・4%(2012年)へと低下した一方、対中輸入額は7・7%(2000年)から15・5%へと上昇した。輸出額の割合も、対中国は約10年間で2倍以上増加し24・5%(2012年)となったが、対日本は7・1%(2012年)と5%近く低下している。
2000年~2011年の留学生数の推移を見ると、経済関係が色濃く反映されている。日本の大学等で学ぶ韓国人学生は、1万2851人(2000年)から1万7640人(2011年)と5000人弱しか増加していない。しかし中国・教育部の統計によると、中国で学ぶ韓国人学生は、1万6787人(2000年)から6万2442人(2011年)と4万5000人以上増加している。
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