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向学新聞2018年4月号記事より>


外国人労働者数5年連続過去最高

128万人、前年比19万事業所増

小売・飲食業の留学生アルバイト増加

 2017年10月時点の日本の事業所等で働く外国人労働者は127万8670人で、5年連続で過去最高を更新したことが、1月26日に厚生労働省が発表した統計で分かった。前年同期比では19万4901人(18%)増で過去最大の増え幅を記録。外国人を雇用する事業所も、前年同期比2万1797ヶ所増の19万4595ヶ所で、過去最高となった。事業所の規模は「30人未満」が57・5%を占めた。


在留資格別外国人労働者の割合


 国籍別では中国(香港等含む)が37万2263人で全体の約3割(29・1%)。次にベトナムが24万259人で約2割を占め(18・8%)、フィリピンが14万6798人(11・5%)、ブラジルが11万7299人(9・2%)と1割程度ずつとなっている。ベトナムの増え幅は前年同期比で6万8241人と全国籍中で最大となり、中国の2万7605人増の2倍以上となっている。過去5年間ではベトナムの総数は約6・4倍、ネパールは約4・9倍と大幅に伸びている。


 在留資格別では、永住者、日本人の配偶者、日系人を含む定住者等からなる「身分に基づく在留資格」が全体の35・9%を占め、最多。このうち、一定年数就労等した後に取得できる「永住者」の比率は20・7%だった。 次いで留学等の「資格外活動」が23・2%、「技能実習」が20・2%、「専門的・技術的分野」が18・6%となっている。


 政府が積極的に受け入れを推進している「専門的・技術的分野」に「永住者」をあわせた比率は39・3%。また、アルバイト等の「資格外活動」に 「技能実習」をあわせると40・5%で、前者2種の合計とほぼ同規模となっている。


 国籍ごとに在留資格の内訳を見ると、中国37万人超のうち「身分に基づく在留資格」は26・1%で最多(9万7207人)。続く「専門的・技術的分野の在留資格」は25・7%(9万5583人)と僅差であり、以下「資格外活動」24・4%、「技能実習」22・6%とほぼ均等な割合で並んでいる。


 いっぽうベトナムは「技能実習」の占める割合が43・9%(10万5540人)、留学生等の「資格外活動」(アルバイト等)も42・1%(10万1221人)に上り、これら2種類で86%を占めている。「専門的・技術的分野」は8・4%(2万109人)にとどまっており、在留資格の内訳に偏りが見られる。近年急増しているベトナム人留学生が卒業後に順次「専門的・技術的分野」に在留資格を変更していけば今後偏りは是正されていくとも考えられるが、漢字圏の中国と同程度にまでその比率が上昇するかは未知数だ。


 ネパールの内訳も、その8割が「資格外活動」であり、「専門的・技術的分野」は1割以下にとどまっている。


 各業種がそれぞれどのような在留資格で構成されているか見ると、「宿泊業、飲食サービス業」においては「専門的・技術的分野」の比率が9・9%にすぎず、留学生の「資格外活動」が57・9%を占めている(9万1407人/前年比23・9%増)。また、「卸売業、小売業」では「専門的・技術的分野」の比率が20・3%だが、留学生の資格外活動の比率は33・9%と3分の1超に上っている(5万6335人/前年比23・0%増)。慢性的な人手不足の傾向がある小売や宿泊・飲食サービスの現場で留学生のアルバイトが増加している現状が窺われる。


 留学生の資格外活動の総数は、対前年比23・8%増の25万9604人。国籍比率は多い順にベトナム38・0%(9万8528人)、中国29・5%(7万6520人)、ネパール15・8%(4万926人)などで、ベトナムと中国との差は前年度2883人だったが今年は2万2008人と大きく開いた。勤務地は48・8%が東京で、2位の大阪(7・9%)には大差をつけている。外国人労働者全体における東京勤務者の比率は30・9%であることから、留学生の資格外活動に関しては東京一極集中がより顕著であることがわかる。




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