向学新聞 2018年9月号
地方公共団体で外国人材活用
ポイント制の加算対象大学拡大
政府のまち・ひと・しごと創生本部「わくわく地方生活実現会議」(座長/樋口美雄独立行政法人労働政策研究・研修機構理事長)は6月5日、地方活性化の方策提案をまとめた。外国人材の活用については、「単に日本語が話せるということだけではなく日本の文化をきちんと理解した上で働いてもらうことが望ましい」との観点から、大学を卒業した外国人留学生の地方での就業を促進することが有効だとした。
人材確保については、インバウンドや企業の海外展開が盛んになる中で、JETプログラム以外にも地方公共団体で専門性を持つ外国人材が活動できるよう、地方公共団体と外国人材双方のニーズをマッチングする仕組みを財政支援の下で構築することを提案した。
また、学生管理に問題がない大学を卒業した外国人留学生が就労する場合には「高度専門人材」の在留資格を取得できるようにし、在留資格変更の際には、中小企業も大企業と同等に提出資料を簡素化できるようにすることを求めた。
同会議は、地方の若者が15年間で3割減少し、東京圏へ毎年10万人を超える転出超過が続いている現状にかんがみ、若者の地方移住の加速や人材確保の方策を検討するため設置されたものだ。
これらの提言は地方創生のための政策パッケージとして、「まち・ひと・しごと創生基本方針2018」に盛り込まれ、6月15日に正式決定された。そこで示された具体策としては、在外公館が国際交流基金や国際協力機構(JICA)と連携して日本語学習者や日系人、元国費外国人留学生等の在外親日外国人材の掘り起こしを図り、地方公共団体で活躍したいと望む外国人材への広報(大使館HP等)を行うこと等を挙げている。
また、地方公共団体等で外国人が安定した立場で柔軟に活動できるよう、海外展開、多文化共生、災害対応や教育等に幅広く適応できるような包括的な資格外活動許可を新たに付与するよう求めている。
さらに、高度人材に出入国管理上の優遇措置を講じる高度人材ポイント制については、卒業していれば特別にポイントが加算される対象の大学を現状の13校から拡大する方針を打ち出している。
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