<向学新聞2019年11月1日号記事より>
留学生の就職、過去最高を更新
約2万6千人、5年で2倍以上
ホテル・旅館は大幅増
法務省出入国在留管理庁は10月23日、平成30年に日本企業等に就職するために、在留資格「留学」から就労可能な「技術・人文知識・国際業務」等へと変更を許可された数が、前年比15・7%増の2万5942人となり過去最高を更新したと発表した。申請数も3万924人と過去最高で、許可率は83・9%と前年より増加した。許可数は5年前の2013年からは2倍以上となっている。
国籍・地域別にみると中国が最多の1万886人で、次いでベトナムが5244人、ネパール2934人と続いている。前年からはネパールが44・8%増、台湾が31・5%増と伸びが目立った。2013年との比較ではベトナムとネパールはいずれも許可数が10倍以上となっている (ベトナム424人→5244人、ネパール293人→2934人)。
業種別で多かったのはコンピュータ関連サービス(構成比8・3%)、商業(貿易)(8・2%)、飲食業(4・9%)、ホテル・旅館(4・7%)など。特にホテル・旅館は前年比40・1%増で、この2年では2倍以上に増えており(756人→1621人)、インバウンド需要を受けた人材ニーズの高まりがうかがえる。
政府は留学生の就職率を卒業生の5割にする目標を掲げており、ビジネス日本語やマナー研修、各地の地元企業でのインターンシップやマッチングの促進、在留資格の緩和などを進めている。飲食店、小売店等でのサービス業務や製造ライン業務等については、大学・大学院で学んだ専門性を必要としない等の理由で以前は就労が認められていなかった。今年5月からは、4年制大学卒以上で日本語能力試験N1レベル以上を有する留学生については、他の外国人従業員への橋渡し役や外国人への接客等の職務を含む条件で、在留資格「特定活動」での就労を認めるよう改めた。
就職先企業の資本金については、500万円超~1億円までの企業が前年比23・3%増の1万4966人で、中小中堅企業での留学生採用が伸びている。500万円以下の企業は3902人で前年比4・3%の微減となった。
いっぽう、海外から来日して働くための「技術・人文知識・国際業務」の在留資格認定証明書の交付は4万1510人で、前年比で38・1%増加した。国籍・地域別ではベトナムが9927人と最多で、前年比では99・9%の大幅増となっている。
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