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向学新聞2021年4月1日号記事より>

日本文化の底力コラム

吉本興業所属芸人 藤田ゆみ / Ko(コウ) 第1回  

 今回から、お笑い輸出課プロジェクトを進める藤田ゆみさんとKoさんにコラムを連載して頂く。既に国内外の大学や日本語学校で講義を行い、お笑いを通じた社会貢献や世界平和を目指している。

日本語・英語・フランス語・スペイン語で漫才

お笑いを通じた社会貢献や地域活性化

あいさつ
どうもー!!吉本興業所属芸人の藤田ゆみです。
どうもー!!吉本興業所属芸人のKo(コウ)です。
よろしくお願いしまーす!
というわけで、我々芸人なので漫才風に挨拶をさせて頂きました。
今日から連載で今私たちがやっている活動についてお話ししたいと思います。

スペイン語大好き芸人・藤田ゆみ氏

 スペイン語大好き芸人・藤田ゆみ氏
Twitter: @shirayumi_yumi

自己紹介
:私藤田ゆみから自己紹介させて頂きます。私は東京吉本に所属している3年目の芸人です。現在、スペイン語大好き芸人として活動しており、吉本で唯一スペイン語ネタができます。今は日本に留学しているメキシコ人留学生ともスペイン語漫才を作っています。特技はグラフィックデザインで、デザイン専門学校を卒業しています。芸人以外でもお笑いライブのポスターや、テレビ番組のイラストを製作しています。

セネガルに5年住んでた芸人・Ko氏

 セネガルに5年住んでた芸人・Ko氏
Twitter: @ko_nsc42
Instagram: ko_nsc42

K:続いて、僕がアフリカのセネガルに5年住んでた芸人のKo(コウ)です。大阪吉本に所属している2年目の芸人です。僕は大学を卒業した後、サラリーマンとして東京で4年働き、その後セネガルに青年海外協力隊としてのボランティア活動と企業の仕事で5年滞在し、2019年から日本でお笑いをやっています。最初はフランス人の相方がいましたが、コロナの影響でフランスに帰国してしまい現在は一人で活動しています。
K:よろしくお願いします。


活動内容
K:ところで皆さん、僕たちのこと知ってますか?
:有名な吉本興業の芸人ですよ!!知ってる人!!(...無反応)
K:じゃあ知らない人??(はーーーーーーーーい!!!!!)
:はい、手上げなくていいです!私たちのこと誰も知らないですよね。
K:では、一体若手の無名芸人がなぜここでコラムを書いているかと言うと、ゆみさんちょっと教えて頂けますか?
:私たちはお笑い輸出課プロジェクトという活動をしています。
K:え?お笑いを輸出する?それってどういうことですか?
:現在、漫才で覚える日本語、英語、フランス語、スペイン語をやっており、日本の「漫才」を世界中に広めようとしています。
K:あー、日本の漫才を世界に広めるんですね!!それって漫才を外国人に教えるってことですか?
:そうです。漫才で覚える日本語は日本語を勉強している外国人の方に簡単な漫才を作りながら、日本語や日本語での会話を勉強する体験型の授業をしています。
K:いや、待ってくださいよ!芸人である僕でも全然面白い漫才作れないのに、漫才を知らない外国人の方が漫才できるんですか?
:できます!!外国人の方が過去に間違えた日本語を基に漫才を作ることができるんです。
K:過去に間違えた日本語?例えば日本語でこんにちはって言おうとしたらナンガデフと言ってしまったみたいな?
:それセネガルの現地語!!日本語での間違えですよ。例えば、鼻と穴を言い間違える。メキシコ人をメキツコ人と書き間違えてしまう。ということがネタになるんです。
K:あー、なるほど!確かに日本語を勉強している外国人ならではの間違えってあるかもしれませんね!でも、間違ったら恥ずかしかったり、落ち込んだりしませんか?
:いいえ、そういった間違えも、なんと笑いに変えることができるんです!折角勉強してるなら間違えて落ち込むより、楽しく勉強できた方がいいじゃないですか。
K:確かに教科書だけの勉強だけっていうのも退屈ですもんね。
:なので、今私たちはこの「漫才で覚える日本語」を色んな日本語学校や大学で実施しています。
K:すごいですね!!無名の芸人なのに、学校で授業やるなんて!ちなみに英語、フランス語、スペイン語もやってるんですよね?
:はい。これらは日本人を対象に、漫才で覚える外国語シリーズをやっています。
K:え、ゆみさん外国語できるんですか?
:はい、私はスペイン語を話せて、スペイン語のネタを作っており、漫才で覚えるスペイン語をやっています。
K:僕はセネガルの現地語ウォロフ語で漫才を作ってます。
:それ需要ある?!!ちなみに、Koさんは英語が話せるので漫才で覚える英語をやってくれています。
K:ちなみにフランス語は誰がやってるんですか?
:日本人とスイス人の国際夫婦コンビのフランポネさんが担当しています。
K:バラエティ豊富ですね!

実績
K:ちなみに今までどういう学校でやったんですか?
:早稲田大学、名古屋大学、東京学芸大学、鳴門教育大学、東京外国語大学、渋谷外語学院など多数です!
K:おー、すごいですね!聞いたことある大学ばかり!実際、授業盛り上がったんですか?
:めちゃくちゃ盛り上がりましたよ!最初は緊張してましたけど、コンビ組んだり、コンビ名決めていくうちに楽しい雰囲気になってきました。
K:もう授業の中でコンビ組むんですね!
:そうなんです!なんと授業の最後にクラスの前でネタ見せをするんです。なので、コンビ名が決まったらひたすらネタ作りとネタの練習です。
K:もうそれNSC(吉本の芸人養成所)ですやん!
:まさにそんな雰囲気で皆さん楽しく、でも真剣にネタを作っていました。
K:実際ネタはどうだったんですか?
:実を言うと、、、。私たち芸人より、面白いネタを作ってて芸人辞めようかと思いました。
K:いやいや!辞めないでくださいっ(笑)ちなみにどんなネタだったんですか?
:ツッコミ「私3か国語喋ります。日本語、英語、インドネシア語」→ボケ「私はもっと喋れます。日本語、英語、インドネシア語、だんご、りんご」→ ツッコミ「それ食べ物でしょ!もういいよ!」 っていう漫才なんかシンプルですけど、面白かったです!
K:おぉ、すごい!!短時間でこんなに仕上がるんですね!!
:みんな面白いから私たちも本当に楽しくてずっと笑ってました。

展望
K:でも、僕たちプロの芸人なので負けてられませんね!!ところで、今後も大学とか日本語学校での活動が中心になるんですか?
:はい。確かに漫才で覚える日本語は日本に来ている留学生メインでやる予定ですが、漫才で覚える英語は中学や高校で、スペイン語は大学のスペイン語学科や市町村のスペイン語講座で、フランス語は大学でやったりします。他にもSDGsをテーマにした漫才作りやインバウンドツーリズム漫才作り、地域活性化の漫才なんかを全国の大学などで作っていきます。
K:なんか、頭が混乱してきました...。僕らNPOですか?
:いえいえ、れっきとした芸人です!でも、お笑いを通じた社会貢献や世界平和を目指しています。
K:本当に、夢がありますね!でも、世の中からは所詮芸人の戯言とか思われたりしません?
:そんなことないんですよ!実際に4月からはこの活動が京都大学や天理大学の研究対象になったり、海外の日本語学校や大学でも授業が決まっています。
K:ホンマですか?!海外も!
:そうです。ZOOMを使えばクリック一つで世界中どこでも授業が出来ます。実際にスペインのマドリード日本文化センター、オーストラリアの日本語学校、セネガルの日本語教育機関、ケニア日本人学校、 ノルウェーのオスロ大学でも実施しました。
K:なんとグローバル!でも我々芸人の活躍の場も広がって嬉しいですね!他の芸人の皆さん、広げますよーーー!!!
:どの立場で言ってるんですか!まずは面白いネタを作ってください!!
K:はいっ(涙)頑張ります!

まとめ
K:というわけで、今回の対談はここまでになりますが、ゆみさんいかがでしたか?
:とても楽しかったです。私も是非日本語の授業を受けてみたいです!
K:ゆみさん!!...あなた日本人。
:あ、そうでした。皆さんも是非楽しく日本語や外国語を勉強しましょう!
それでは皆さん、どうもありがとうございましたーーー!!(漫才風)

コラム 第1回 日本語・英語・フランス語・スペイン語で漫才 お笑いを通じた社会貢献
コラム 第2回 留学生へのメッセージ

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