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向学新聞2023年7月号目次>技能実習制度廃止 特定技能2号対象分野拡大
<向学新聞2023年7月号記事より>
技能実習制度廃止
特定技能2号対象分野拡大
4月28日、政府の有識者会議は、現行の技能実習制度を廃止し、新たな制度への移行を求める中間報告をまとめた。
技能実習制度は、1993年から始まった制度で、途上国の人材が、日本で技術を学びその後帰国して技術を母国に還元する国際貢献を目的としていた。しかし、現状は人手不足を補う労働力確保の面が強く、一部の受入れ企業・事業者では人権問題等が起きていた。
新たな制度では、人材育成だけではなく、労働力としての人材確保の位置づけも明確にされる。技能実習では原則できなかった「転籍」について緩和し、一定程度認められる。新制度でも、受入れを仲介する送り出し機関や、受入れ先企業を監理・支援する監理団体などの仕組みは維持される見通しだが、不適切な団体を排除する仕組みも整える必要性が指摘されている。
特定技能2号分野拡大
6月9日に行われた閣僚会議にて、特定技能2号の対象分野を、現行の2分野から11分野に大幅に拡充する方針が決まった。現行の技能実習制度を実態に即して発展的に解消し、人材確保と人材育成を目的とした新たな制度を創設するとともに、特定技能制度の適正化を図る。
「特定技能」は、転籍が可能であるため、創設当初から地方から給与の高い都市部への人材流出が懸念事項として挙げられており、実際に多くの人材が流出している事例がある。この点について政府方針では、「特定技能外国人が大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労することとならないようにするために必要な措置を講ずる」としているが、効果のある措置が取られるか、地方企業の不安は大きい。
入管庁が発表した、2022年12月末現在の在留資格別在留外国人の構成比では、1位の「永住者」に次いで2位は「技能実習」(32万4940人)だ。日本の様々な産業を支えている彼らと、人材を必要としている企業と、双方にとってふさわしい形の制度設計が求められる。
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