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向学新聞2024年7月号目次>日本で働く元留学生たち リーチェンワン さん

元留学生

向学新聞2024年7月記事より>

日本で働く元留学生たち

リーチェンワン さん
(台湾出身)
外資系インバウンド旅行会社勤務
2014年来日。専門学校アジア・アフリカ語学院で日本語を学び、旅行会社に就職。

やりたいことは積極的に挑戦

―日本留学のきっかけを教えて下さい。

台湾の大学を卒業して、2年半ほど鉄鋼メーカーで働いていました。大学の選択科目で日本語を学び、独学でも勉強を続けていたのですが、もっと日本語が上達したら活躍の可能性も広がると思い、会社を辞めて2014年9月に日本に留学しました。語学系の専門学校に入ろうと考えていましたが、秋の10月入学はないことを知って、専門学校の日本語コースに入りました。

学生生活のカウンセリングの先生と相談して、語学習得のために専門学校に進むより、仕事を始めた方が成長できるのではないかと考えました。そこで、日本語を半年間学んだ後、先生のつながりで、旅行会社への入社が決まりました。

リーチェンワン さん


―お仕事について教えて下さい。 

1社目の旅行会社は、インバウンドの部署が新設されて、そこのメンバーとして採用されました。私以外の社員は日本人でしたから、ビジネスでの実用的な日本語力が身についたことはとても良かったです。しかし、インバウンドの新しいビジネスがあまり多くなかったので、もっと経験を積める会社が良いと思い、数年で転職しました。

現在の会社はイタリア系のインバウンド旅行会社です。外資系なので、社内では英語でやり取りをしています。

―プライベートでは、どのように過ごしていますか。

1社目の時は、仕事があまり忙しくなかったので、色々な社会人サークルに参加しました。卓球、言語交換、中国語の家庭教師をしたり、音楽ではギターやピアノサークルに参加したこともあります。サークル活動を通じて、日本人や外国人の友達が何人もできました。夫と出会ったのも、卓球の先生のつながりで紹介されたことがきっかけでした。

リーチェンワン さん

―ご結婚後の日本での生活はいかがですか。

出産の時は、コロナで帰国できなかったので、日本で生みましたが、すべてが初めての事だったので本当に大変でした。台湾にいれば、母や親せきなど手伝ってくれる人がいますが、日本では自分達夫婦二人しかいませんから。自分で子育ての本を買って読んだり、地域の支援センターを利用したりして、段々と育児にも慣れてきました。娘は今2歳半になりますが、いやいや期になって、育児に疲れる時もありますね。育休明けからは、時短勤務で働いています。

―困った時に相談できる友達は近くにいますか。

はい。内容によって、相談する相手も変わりますね。独身の時の就職や転職の事なら、日本人の友達に相談していました。子育ての事や、保育園や幼稚園の事は、台湾人や中国人のママたちに相談します。今住んでいる団地には、結構外国人の家族が多く住んでいます。一番多いのは中国人ですが、台湾人もいます。娘が通う保育園の同じクラスにも中国人の子供がいます。ですから、寂しいと感じることはありません。

―日本での子育てはいかがですか。
公園が多く、公衆トイレもきれいなところが多いので、子育てはしやすいと感じます。車の運転のマナーも良く安全だと感じますし、バイクが少ない分、空気もきれいですね。保育園の先生たちもとても礼儀正しくて、子供に丁寧にやさしく接してくれます。

一方で、都心の人は、忙しく早く歩くイメージがあって、話しかけづらい、冷たい印象もあります。

―地域や団地の自治会には参加していますか。

私は参加していませんが、知り合いの中国人ママは幹事を務めていて、年に2、3回ほどイベントを企画しています。私は出産前は参加したことがありますが、今は子育てと仕事で忙しくて参加できないです。子供がもっと大きくなったら子供と一緒に参加したいです。

―これからも日本で暮らす予定ですか。

そうですね。もともと私は、これほど長く日本に暮らすとは思っていませんでした。最初の会社が忙しくなかったのでサークル活動に熱中して、数年たつとその生活も慣れてきたので、そろそろ結婚しようかなと考えました。また、結婚して数年経った頃、コロナで仕事が忙しくなくなった事もあり、子供を作ろうかなと考えるようになりました。

子供中心の子育ての時期は、日本で暮らす予定です。夫は中国出身ですが、現在は中国と台湾が政治的に難しい状況ですし、日本は第三国で、夫と出会った国ですから。

―留学生の後輩たちにはどのようなことを伝えたいですか。

やりたい、挑戦したいと思うことがあれば、どんどん行動してチャレンジしてください。人生一度きりですし、行動することで新しい出会いがあり、自分の世界が広がります。特に独身の若い時は、身軽に色々なことができる時期です。自分の能力や背景を活かせるような挑戦が良いと思います。私は、プラン通りに計画的に生きてきたわけではありません。しかし、楽しみながら、今やるべき事に一生懸命に取り組むと、意外な出会いや機会に恵まれて、次のステージに進んでこられたように感じます。これからの出会いを楽しみにしながら頑張りましょう。

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