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紅葉狩(もみじが)  


美しい紅葉を鑑賞
儚い人生の無常を重ね合わせる

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紅葉3   

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 秋と言えば紅葉狩り。長野県の軽井沢、神奈川県の箱根、京都の嵐山など紅葉シーズンは、赤色に染まる山々に多くの人が惹きつけられる。
  
 紅葉とは、広葉樹の葉が落ちる前に色が変わる現象を指す。薄い黄色やオレンジ、深い紅色が入り混じった木々は美しいの一言に尽きる。「紅葉狩り」とは、この美しい紅葉を鑑賞することなのだが、なぜ紅葉の後に『狩り』がついているのだろうか。
 
 「鹿狩り」や「茸狩り」のように昔は食物を求めて山へ狩りに出かけていたが、「狩り」はそのままの「何かを捕りに山へ入る」ことを意味していた。やがて人々が紅葉の美を求めて山に入るようになったことから「紅葉狩り」と呼ばれるようになったという説がある。山桜を愛でる「桜狩り」という言葉もあったそうだ。
 
 平安時代の貴族は様々な催しを楽しんだが、そのほとんどが春の行事で秋はとても少なかった。それは寂しい冬の訪れを告げる落葉に、儚い人生の無常を重ね合わせていたからではないかという。やがて江戸時代になると旅行ブームが起きて、紅葉狩りも楽しい気分を味わう行楽として爆発的な人気となり今日まで受け継がれている。
 




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