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(ぜん)   


坐禅で無心の境地を追求
気軽に体験できるイベントも


ZEN


 禅は禅仏教の実践の形態で、仏教思想家の鈴木大拙が禅を英語で発信して以来世界の人々に知られることとなった。Appleの共同設立者スティーブ・ジョブズが禅に傾倒していたことは有名で、福井県の永平寺に行って出家しようとまで考えていたという。

 坐禅は心を落ち着けて静かに坐り、無心の境地に入ることで自己発見に至る修行法だ。何も見ず、考えず、心を無の状態にすることで、囚われがなくなり、逆に自分が見えてくる。沸き起こってくる念があっても無理に押さえつけず、沸き起こるままに坐り続ける。禅はドグマを持たないのが特徴で、言葉を超えた気づきに至ろうとする。日常のさまざまな囚われから離れて本来の自分を見出したいと願う多忙な現代人のニーズとマッチし、「朝活」の一貫として坐禅に取り組む人も出てきている。

 日本文化体験ツアーを主催するNPO法人SAMURAI MEETUPSは、日本人と外国人100人が坐禅する「ZEN100」ツアーを3月11日に開催した。思い出作りに来ている外国人のために敷居の高さを取り除き、坐禅を気軽に体験してもらうことを目指したイベントだ。参加したブルガリア出身の元留学生は「初めて体験してみて禅のイメージが変わった。日常生活でもやってみたいと思った」と話す。心も体もリフレッシュできる坐禅。挑戦してみると新しい自分に出会えるかもしれない。

 




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