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李 小妹さん (中国出身) 
(お茶の水女子大学  ジェンダー学際研究専攻) 


中国の都市化について研究 
留学で母国を対象として見る


――日本留学の経緯について。
  私は母国の大学で英語を専攻しましたが、当時は英語ブームでみなが通訳になりたがっていました。私は言葉は考える手段にすぎないと感じ、これ以上言葉を学ぶよりも心理学や教育学などの専門知識を持とうと留学を決めました。留学先に拘りはなかったので、必然的に姉が留学中である日本に決まりました。
  今は中国の深 の都市化の経緯とその変容について研究しており、その際に「空間論」の概念を用いています。例えば、都市には人々の容器としての側面と、イベントを開催するお台場のように客を呼び寄せ、商品として都市自体が消費される側面とがあります。中国でこうした商品としての都市空間を作り出すため、政府が調達する資本が出稼ぎ労働者です。深 ではテーマパークで朝鮮族のパフォーマーが活躍するなど様々な主体が共働きの形で都市を作り上げていますが、その背後には政府の権力があるのです。
  いっぽう中国の特殊な点は、草の根レベルでの市民の自由があって社会が「ゆるい」ことです。資本主義化が進んだ日本や欧米では公共空間も権力に領有されて監視されており、公園で騒げば簡単に通報されます。中国では旧正月など古くから残る伝統を大事にしており、資本主義が発達しても公共空間の利用の仕方は変わりません。大型ショッピングモールの前にはたいてい広場があってみな自由に使っています。町を自分たちのものにすること自体が非常に意味があることだと思うのです。
  このように、私は日本に来てはじめて母国の姿を外から対象として見て考えることができるようになりました。

――将来の目標は。
  博士号を取得し教授になりたいです。今度初めて中国の学会で発表しますが、日本で書いた論文と違う形にして中国のトレンドにも乗れるようにしないと難しいのです。専門用語は英語と日本語しか知らないので学問的に中国語に翻訳しがたいことも多いです。将来は帰国も選択肢として考えていますので、人文地理学を中国に紹介するための基礎を私が築いていこうと思っています。



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