就職活動2017
第3回 エントリーシート
「面接の台本」
「結論→理由→具体例」で論理的に
萩原 剛志 氏
(東洋大学 就職・キャリア支援課 課長補佐)
――エントリーシート(ES)とは何なのでしょうか。
ESとは、企業側が用意した独自の履歴書だと言えます。一般的な履歴書と異なる点は、「企業が聞きたい質問」が用意されていることです。企業ごとにESの内容は異なるので、作成には相当のエネルギーが必要でしょう。ですが、ESで問われる質問は大きく①自己PRに関すること、②企業への志望理由に関すること、③自由記述の3つに分類できます。
①の自己PRに関することでは、自分自身の長所・短所、学生時代に頑張ったことなどが問われます。②の志望理由については、例えば仕事を通して何を成し遂げたいのか、5年先のキャリアビジョンなどがよくある質問です。③の自由記述は、広めの空欄スペースに「自由に自分を表現してください」という設問があったります。
――②の成し遂げたいことやキャリアビジョンなどは、学生の段階ではイメージすることが難しいと思います。どうすれば良いでしょうか。
一番良い方法は、その企業で働いている人に実際に会うことでしょう。インターネットなどで簡単に手に入る情報を使って何となくESを形にするよりも、足を使って汗をかいて情報を手に入れていくのです。そこで入社5年目の人の話を聞く事ができれば、具体的なキャリアビジョンの参考にもなるでしょう。
――どうすれば「この人に会ってみたい」と思ってもらえるESが書けるのでしょうか。
企業によっては何万通ものESを読まなければいけない採用担当者もいます。そう考えると、読み手の立場をよく考えて「簡潔に伝える」ことが一つのキーになるでしょう。人に何かを伝えることは意外に難しく、何となく書けば何を伝えたいのかぼやけてしまいます。ですから簡潔に伝えるために「結論→理由→具体例」と論理的に流れにそって書くことが重要です。
ここでポイントになるのが、独りよがりでESを作成するのではなく、第三者に添削してもらうことです。キャリアセンターの個別相談の活用なども有効的です。ESは面接時の基礎資料として利用されるため、いわば「面接の台本」になります。一人で最初から完璧なものを作ろうとするのではなく、誰かに相談しながら完成度を高めていきましょう。
<ポイント>
●ESは大きく①自己PRに関すること、②企業への志望理由に関すること、③自由記述の3つに分類
●企業で働いている人に会うなど足を使って汗をかいて情報を手に入れる
●読み手の立場に立って「この人に会ってみたい」と思わせること
●簡潔かつ論理的に書く
●第三者に添削してもらう。誰かに相談しながら完成度を高める
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