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2021年11月19日
(図は全て「令和2年における留学生の日本企業等への就職状況について」(出入国在留管理庁)の資料を元に一部加工して作成)

留学生の日本での就職 10年ぶりに減少
令和2年における留学生の日本企業等への就職状況について

図1 留学生からの就職目的の処分数等の推移

 出入国在留管理庁は11月、「令和2年における留学生の日本企業等への就職状況について」統計結果を公表した。これは、学校を卒業する留学生が、在留資格を留学から就労できる在留資格に変更届申請をし、許可された数などをまとめている(「特定技能」は含まれない)。
  
就職した人数は10年ぶりに減少
 在留資格変更が許可されたのは29,689人となり、前年から1,258人減少となった。前年比減となったのは、リーマンショック等の影響を受けたとされる平成21年、平成22年以来、10年ぶりだ。(図1)
 人数などの増減で特に目立ったものは以下の点だ。

図2 国籍別


図3 在留資格別


図4 就職先企業等の資本金別


図5 最終学歴別

スリランカが増加幅大
国籍別では、スリランカが前年比441名(62.6%)増となり、国籍・地域別順位で台湾を抜いて5位となった。(図2)
 
在留資格「特定活動」や「その他」は増加 
在留資格別では、「技術・人文知識・国際業務」が2327人(8.1%)減だったのに対し、「特定活動」は約2.8倍の873人、「その他」は390人(43.5%)増となった。(図3)
 特定活動は、平成30年では全体の0.1%だったが、令和元年には1.0%、令和2年では2.9%と増加している。これは、特定活動46号で就労する留学生が増加しているからだと思われる。

業種別 
業種別では、非製造業は146人増、製造業は684人減となった。 製造業の中で増加したのは金属製品(303人増)、生産用機械器具(268人増)、プラスチック製品(351人増)だった。 

非製造業の中で、特に増加したのが卸売業・小売業(1436人増)、学術研究・専門・技術サービス業(1316人増)だった。コロナの影響を受けて、宿泊業は1336人(49.5%)減だったが、飲食サービス業では630人(31.7%)増となった。  

就職先企業等の資本金別 
就職先企業等の資本金別の許可人数は、500万以下が2657人(86.1%)増と大きく増加したが、1000万~3000万では3304人(43.2%)減と大きく減少した。また、1億超~3億も1300人(62.8%)減少した。(図4)

最終学歴別
大学が1407人減、大学院が152人減だったのに対し、専修学校は402人増加した。全体に占める専修学校の比率(35.0%)が、大学(38.4%)の比率に年々迫ってきている。

都道府県別
東京1526人(11.1%)減、大阪122人(3.8%)減となった一方、地方では増加した都道府県が多い。静岡138人(22.4%)増、岡山108人(56.8%)増、広島99人(25.9%)増となった。コロナ禍による都市集中型への見直しで、地方にも目を向ける留学生が増えた可能性がある。

卒業生の46~50%が日本で就職
令和2年に学校を卒業した留学生は、おおよそ6万~6万5千人とみられ、そのうち卒業後日本で就職等をした留学生は全体の約45.7%~49.5%だったことになる。しかし、留学生の卒業後の進路は、日本に残るか帰国・第3国に行くか、就職か進学か、と多様な選択肢があり、どの進路を志望するか、志望度合いも多様なため、一概に、日本人学生と同じような「就職率」との言葉では表しにくいところがある。

就職した合計の人数としては減少したが、細かく見ていくと、増加している属性もあるため、留学生はさほど悲観せず、門戸を開いていて入りやすい業界・会社を探し、自分のやりたいことと照らし合わせて前向きに就職活動に臨んでほしい。

留学生の就職意欲に変化も
就職者数の減少は、留学生の就職意欲の低下も少なからず影響していると思われる。日本の水際対策により、出入国が簡単にはできない状況が長く続いたこともあり、卒業後は日本で就職せずに、帰国したいと考える留学生が一部で増えている動きが見られるからだ。中国出身の留学生(大学3年生)は、「友達の留学生はみんな卒業後は帰国すると言っている。私だけが就職活動をしている。」と話す。



<参考>
「令和2年における留学生の日本企業等への就職状況について」(PDF:15.0MB)(外部リンク/出入国在留管理庁)

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