Top向学新聞日本で働く留学生OBたち>リチャード ケルナーさん


リチャード ケルナーさん (英国出身) 
(駐日欧州連合代表部) 


勤務初日から知事への通訳 日本で欧州留学をPR

画像の説明


――なぜ日本留学を。
 出身高校が語学教育に力を入れており、スペイン語やフランス語に並んで日本語も選択して履修出来ました。欧州とは全く異なる言語を学びたいという好奇心と珍しい言語を習得することで将来のチャンスが広がると考え日本語の勉強を始めました。高校卒業後は、日本語専攻があるスコットランドのエジンバラ大学に進学しました。1年間の日本留学が必修だった点が魅力的でした。大学3年次に、エジンバラ大学と協定を結ぶ大学の中から京都の立命館大学を選び、1年間日本語を集中的に学習しました。留学中は日本の歴史と文化に触れたいと思っていましたが、立命館を選んで大正解でした。京都は地図を見なくても歩くだけで神社や歴史ある町並みなど新発見に溢れていて、毎週末街に出ては散策しました。

――日本で働くきっかけは。
 大学卒業後はJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)に応募して、岡山県企画振興部で国際交流員として3年間勤務しました。通常JETプログラムの業務内容はALT(外国語指導助手)としての仕事が8割を占めますが、私の場合は岡山県の観光資料の英訳や通訳など日本語を使うことができる職場環境に恵まれました。勤務初日から岡山県知事への表敬訪問の通訳をする事になったのは驚きましたが!
 その後は、日本の地方自治体の国際化推進を目的とした自治体国際化協会ロンドン事務所やスコットランド・アバディーン大学の職員、大阪国際交流財団など日英を行き来しながら働き、一貫して公的機関や国際交流団体を主軸にキャリアを積み上げてきました。

――現在の業務は。
 現在は、日本で欧州連合(EU)を代表する機関である駐日EU代表部で勤務しています。日本の最新動向をEU本部に伝えることや日・EU関係を強化する役割を担っています。特に私は広報部学術協力担当として、「欧州留学フェア」などを通じて欧州の高等教育機関をPRし、欧州に日本人留学生を誘致しています。今年5月に開催した欧州留学フェアではフランス、ドイツ、英国、イタリアなど14カ国の教育機関等が出展し、2100名の大学生などが来場してくれました。今年で3回目の開催でしたが、年々来場者が増加し盛況となっています。

――仕事の魅力は。
 現在の業務は正に私が希望していた内容ですし、これまでで最もやりがいを感じています。立命館での留学体験は本当に得難いものでしたので、日本人学生や社会人に海外留学の素晴らしさ、特に欧州留学をPRできることは喜びです。企画やイベント運営は大変ですが、留学フェアに足を運んで下さった来場者の顔を見ると幸せな気持ちになります。今年から「エラスムス・プラス(Erasmus+)」というEUの新しい資金助成計画が始動し、欧州と日本の大学の教育連携プログラムが益々広がっていきます。多様な関係者と協力して、欧州留学の魅力を知ってもらえるよう頑張りたいと思います。



a:4580 t:1 y:0