Top向学新聞今月の人>トラン・ホアイ・ヴーさん
}}

#html{{
<img src="http://www.ifsa.jp/image/spaceball.gif" style="width: 600px;
height: 550px; position: absolute; z-index: 1;"/>


トラン・ホアイ・ヴーさん (ベトナム出身) 
(早稲田大学大学院 アジア太平洋研究科) 


人間教育の土台の上に経済発展  東アジアは共通の根を持つ

  私は語学が好きで、高校3年間と大学1年間は中国語を勉強しました。しかし語学だけ続けていても経済などの専門知識は身につけることができないと思い、母国で貿易大学を受験し直したのです。入学後の説明会では日本語に非常に興味がわきました。短期間で経済の急成長を遂げた秘密や、独特な日本文化に強く惹かれたのです。
  ベトナムで日本語を勉強しても、話し相手も日本語教材も少なく、日本について表面的にしか知ることができないので、留学の機会があればぜひ行きたいと考えていました。2005年に国際協力機構(JICA)のプログラムで来日し、ベトナム・ラオス・カンボジアからの参加者とともに日本企業を訪問することができました。ビジネスの現場を見学し、整理整頓やトヨタ生産方式など生産性を向上させるための方策について学びました。
  現在は大学院で学んでいます。日本に来てよかったのは、生活を通して日本社会の良さも悪さも身をもって実感することができたことです。母国が日本と比較してどう違うのかも明確に分かります。日本が経済発展を遂げることができたのは、やはり教育の質が高かったからです。幼いときから時間をきちんと守り自己の責任を果たすよう教えますし、生活上の細かい礼儀作法までしつけます。そのような人間教育の土台の上に経済発展もあったのです。
  私にとって日本の風景や文化は母国とどこか共通するところがあり、非常に親近感を覚えます。東アジアは漢字文化圏として共通の根を持っています。中国の漢字を変えてベトナムの漢字も作りました。中国、韓国、日本、ベトナムは道徳的価値観の面で中国文化からの影響を大きく受けているのです。宗教的・精神的共通点も多いこの4カ国が協力し、アジアに平和となごみをもたらす役割を果たしていけば、東アジア共同体の成立も十分可能だろうと考えています。