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共同授業制度を構築
(2008年11月号) 


各大学の強みを結集  二大学の学位を同時に取得  
文科省中央教育審議会


  文部科学省は、大学や大学院2校以上が共同で授業を実施し、学生が修了後は各構成大学による連名の学位を取得できる制度を実施する。国際的な大学間競争が激化する中、複数の大学がそれぞれ優位性のあるカリキュラムを結集し、より魅力ある教育研究の仕組みを構築する。同省中央教育審議会での審議を経て、2008年中にも大学、大学院、短大等の設置基準を改訂。2010年4月からの共同学科・学部等の開設を予定している。

  制度のポイントは次の通り。
  まず、構成大学のうちのある大学が開設する授業科目を、その他の大学の教育課程の一部とみなして、一連の内容の教育課程(共同教育課程)を編成する。実質的には、各大学等が強みとする分野のカリキュラム(開設科目)を持ち寄る形となる。いずれの大学も主要授業科目を必修科目として開講していることが必要で、共同教育課程のみを実施することはできない。
  学生が卒業するためには、それぞれの構成大学で、共同教育課程の開設した授業科目の単位を一定数以上取得する必要がある(例/学士課程の場合31単位以上、修士・博士課程の場合10単位以上)。
  現行の単位互換制度では、例えばA大学が開設する授業の単位数の中に、B大学が開設する授業の単位数が一定限度まで算入されるというシステムで、学生に授与される学位記にはA大学の名前しか入らない。しかし共同授業制度では、共同学科・学部等の課程を修了した者には、各構成大学による連名の学位記(共同学位)が授与される。
  学生にとっては、各大学の持つ優れたカリキュラムを集中的に履修でき、一大学の履修期間内で二大学の学位を取得できる点がメリットとなる。各大学にとっては、強みとする教育内容を集中させてカリキュラムの魅力を増すとともに、教員等の資源を集中させ、優秀な学生の呼び水とすることができる。
  入試については構成大学等が共同で実施。学生の本籍大学は、学生自らの意向に基づいて調整する(入試の取り扱いに基づいて決定する)。法的には、共同学位を授与することから、学生は全ての構成大学に重複在籍することになる。各共同学科の教員は、いずれかの構成大学に所属する。
  この制度は、今年9月11日に文部科学大臣が、中長期的な大学教育の在り方について諮問した内容を受けて決定されたもの。人口減少などの社会構造の変化や新たな社会ニーズを踏まえ、大学教育のシステムに見直しを加えていく。今後さらに個々の大学の「機能別分化」を促し、「大学間ネットワーク」を構築して教育リソースの共同利用を進めていく。