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東日本大震災と在日外国人の意識

Top向学新聞留学生関連記事>東日本大震災と在日外国人の意識

向学新聞2011年4月号記事より>


復興を信じて日本とともに


在日外国人が見た日本

国際留学生協会アンケート調査
東日本大震災と在日外国人の意識
 

日本人の冷静さに驚き   助け合う精神、見習うべき

 国際留学生協会が3月22日から約1週間にわたって外国人・留学生を対象に実施した東日本大震災についてのアンケート調査には、約400件に及ぶ率直な感想や意見が寄せられた。震災が外国人・留学生の日本での生活や進路にどのように影響したか。彼ら彼女らの心境にどのような変化があったのか。アンケートの自由回答を中心に紹介していく。

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一時帰国しない理由

 地震が起きたときの回答者の所在地は、東日本が53%、西日本が41%、その他(帰国中等)が6%だった。東日本在住者のうち約3割が地震発生後に避難しており、避難先は7割が母国、3割が日本国内を移動している。西日本在住者は9割が避難していない。東日本と西日本を合わせた全体で「一時帰国した・する予定」の割合は13%だった。

 避難(一時帰国)していない理由は、「日本の復興力」を信じて引き続き日本で活動したいという回答が目立った。「楽観できない状況だと思うが、大和民族の力を信じているから、こういう国難の時だからこそ一緒に頑張って日本を復興させようと思う。」(中国、留学生)「ピンチはチャンス。復旧の役に立ちたい」(中国、社会人)と前向きに捉える声が多数見られた。

 また、3月11日の地震直前に就職活動の面接を受けたという留学生は、「面接の結果を待つために帰国を拒んだ。長い間日本に住んでいたので、日本を信じたいと思う」と述べた。そして「日本人の冷静さを見て、日本に残っている留学生の友達とお互いに慰め、励まして、勇気と自信をもらった」ことから、共に生きる仲間の大切さを痛感したという(中国、留学生)。

 留学生が日本の復興に期待を寄せるのは、震災に際しての日本人の行動にふれた影響も大きいようだ。「今回の災害を通して発見した日本の長所・短所」について自由記述形式で聞いたところ、回答者の61%にあたる118人が、長所として「日本人の冷静さ」「秩序を守る」「忍耐強さ」「団結力や責任感の強さ」など、非常時にも落ち着いて対応する日本人への驚きと感嘆の思いを表している。「助け合う精神を見習うべき」(マレーシア、留学生)、「他人に対する思いやりがすばらしい」(タイ、留学生)など、母国に体験を伝えたいと感じた留学生も少なくないようだ。

 また、平常時と同様に出勤し忠実に職務を守る日本の社会人に対しては驚きの声が上がっていた。ただ、この点に関しては「心配する親がいるのに日本の情報だけを信じて会社が出勤を強制した」という捉え方も見られ、一時帰国への配慮を求める声もあった。

 環境面については、地震に対する訓練が日ごろから行われていることや、建物の耐震強度の高さ、緊急地震速報など情報配信システムの整備など、地震国ならではの備えのよさに対する評価が見られた。

 いっぽう日本の短所としては、特に福島第一原子力発電所の事故に関する政府の情報発信の遅さや、情報公開のあり方に対する指摘が相次いだ。「情報公開は不十分で、『直ちに影響がない』と強調しているばかり。そこから不安と恐怖が生まれたので一時帰国した」(中国、留学生)という声や、「嘘も方便という原理に従う広報のやり方」であるとの意見さえあった。放射線の影響についての報道のあり方等が外国人の帰国に大きな影響を与えたことがうかがわれる。ただ一方で、母国の家族から帰国を促す声があったとしても、親を説得してまで残っている者もいる。

 日本としては、「今回の災害は日本国内だけでなく、世界に繋がっている天災なので、海外への情報発信、意見交換をすべき」(中国、東京都、社会人)といった意見も参考にしながら、今後の教訓とするべきなのかもしれない。


災害を経て心境の変化も

 日本観測史上最大の大地震となった東日本大震災における死者・行方不明者は2万7千人以上となり、被災地では20万人以上もの人々が今なお厳しい避難生活を強いられている(3月28日現在)。回答者の多くはこうした被害の甚大さに衝撃を隠しきれない様子だ。何かしなければとの衝動を押さえることができず、「ボランティアでも震災孤児の里親でも、自分ができることをやってあげたい」(台湾、社会人)、「これから被災地に対してできることがあったら一員として貢献したい」(中国、社会人)と支援の意思を表明する声があった。中には、「会社単位でボランティア訓練を強化すべき、こんなときは会社の経済活動を維持しながら被災地への応援活動もやるべき」(中国、社会人)という提案も見られた。

 また、「この災害を通して、お互いもっと助け合わなければならないことを知った」(中国、留学生)、「許せないことを許せるようになった」(中国、社会人)など、個人的な心境の変化を吐露する回答も見られた。突然の大災害に直面した体験は、日々どのように生きるかを改めて根底から見直すきっかけとなったようだ。

 危機に直面して団結し、犠牲的精神を持って対処する人々の姿は、留学生に大きな影響を与えている。「多大な苦痛に耐えながら、仕事や救援や再建に頑張っている姿を見て、本当に感動した。日本はきっとこの危機を乗り越えて復興できる」(中国、留学生)。「原子力発電所の事故に、体を張って、命を捧げて頑張っている、消防隊、自衛隊、東京電力の方々に感謝している」(中国、留学生)。図らずも、こうした人々の生きる姿に接して、留学生は多くのものを感じ、学び取っているようだ。

今回の災害を通して感じたこと(国際留学生協会アンケートより)

●我々留学生も日本の住民として、日本国民の皆さんと一緒に再建する為頑張って行きたいと思います。日本 頑張れ!(中国、留学生)
●日本だからこそ、この困難を乗り越えると私は信じています。(台湾、留学生)
●国民それぞれ自立性と自覚性が高く、辛抱強く、日本人の団結精神に関して、世界中の人々が勉強すべき。(中国、社会人)
●日本国民の冷静な行動と災害地域で避難する人たちの支え合う気持ちは、インドネシアの人に見せたいと思っています。(インドネシア、留学生)
●困難な状況に負けずに頑張る日本人から人生の素晴らしい授業を受けました。今被災地の皆さんの生活はとても大変だろうけど、自分はできるだけの応援をしたいと思います。
(中国、留学生)



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