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柔軟な留学生受入れ体制の確立を

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向学新聞2013年10月号


柔軟な留学生受入れ体制の確立を

                日本留学アワーズ開催 留学生サポートの充実度が鍵 

 全国の日本語学校が外国人留学生に勧めたい進学先を投票する「日本留学アワーズ」が8月6日、国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された。主催は財団法人日本語教育振興協会・日本語学校教育研究大会。今年で2回目の開催となる同アワーズでは、114校の日本語学校が投票し、大学文科系・大学理工系・大学院・専門学校の4つのセクションで東西合わせ合計31校がノミネートされた。「大学や専門学校で学ぶ外国人留学生の約6割は日本語学校から送り出している。投票を通して日本語学校の声を伝えたい」とカイ日本語スクールの山本弘子代表は話す。
 
 2年連続で大学文科系東日本部門トップを受賞した明治大学。「留学生の募集に熱心」、「留学生を対象としたサービスや就職支援が充実している」と支持を得た。日本文化を総合的に学ぶことができる国際日本学部の評価も高い。他にも立命館大学(大学文科系・西日本)、東京電機大学(大学理工系・東日本)、名古屋工業大学(大学理工系・西日本)、早稲田大学大学院(大学院・東日本)、関西大学大学院(大学院・西日本)、日本電子専門学校(専門学校・東日本)、大阪コミュニケーションアート専門学校(専門学校・西日本)がトップを受賞した。トップ受賞校に共通するのは「教育内容の質」と同時に「留学生サポート」の充実度で、入口の入試から出口の就職までトータルな支援が評価された。
 
 今回の投票では大学への要望も集まり課題が浮き彫りとなった。友ランゲージアカデミーの白石佳和副校長は、「留学生に合わせた入試形態にしなければ将来大学は困ることになるかもしれない」と指摘する。現在、留学生が日本の大学学部に入学するには、日本留学試験と大学独自の試験等を課す学校が多い。日本留学試験とは、日本語・総合科目・理科・数学の試験で、進学したい大学の指定科目を受験する必要がある。例えば総合科目では、日本の政治問題が出題されるなど留学生にとって難易度は高いが、日本学生支援機構(JASSO)によると半数以上の大学が日本留学試験の受験を求めている。それに加えてTOEFL等の英語試験を課す大学も少なくなく、「TOEFLだけで大変な緊張と負担を強いられる」と日本語学校関係者から声があがる。
 
 入試形態を世界最大の留学生受け入れ国である米国と比較すると、米国には柔軟に学生を受け入れるシステムが確立されていることが分かる。米国では留学生が4年制大学に進学するには、全国共通の適性試験であるSATやTOEFL等の英語能力試験、エッセイ等が必要だが、入学が難しい場合「コミュニティ・カレッジからの編入」という選択肢を選ぶケースも多い。コミュニティ・カレッジとは地域住民への教育提供を主目的としている2年制大学で、高校の修了証書、財政面の証明があれば英語能力が比較的低くても入学できる上、学費も4年制大学の半額程度と言われている。また、ほとんどのコミュニティ・カレッジには4年制大学への編入を目的とした進学プログラムが準備されている。
 
 JASSO留学情報課の担当者は、「日本でも編入制度自体はあるが、編入の文化が根付いていない。また、出願・入試を米国と比較すると負担が多いというのは否めない」と話す。
入試形態は留学生受入れの根幹部分であり長らく課題が議論されてきた。今回の日本留学アワーズを一つのきっかけとして改善が期待される。



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