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向学新聞2016年9月号記事より>


日本の「新卒」がメリットに

IFSA外国人留学生就職アンケート調査 
 


 NPO法人国際留学生協会(IFSA)は、「IFSA外国人留学生就職フォーラム2017」に参加した留学生を対象に就職活動に関するアンケート調査を実施した。「母国と比べて日本の就職活動のメリットは何か」(複数回答)という質問に対して、半数以上が「職務経験がなくても『新卒』に価値がある」と回答した。
※アンケート調査は3月と7月に実施。有効回答者299名。

Q母国と比べて日本の就職活動のメリットは何か?(複数回答)

web日本の就職活動のメリットa
N=287

Q母国と比べて日本の就職活動のデメリットは何か?(複数回答)

web日本の就職活動のデメリットa
N=281



 「日本の就職活動のメリット」のその他の回答を見ると、「卒業前に就職先が決まって安心」(40%)、「専攻に縛られずに就職できる」(35・5%)という回答が多かった。「新卒に価値」・「卒業前に安心」・「専攻に縛られない」ことに留学生がメリットを感じる背景には、海外では日本のような新卒一括採用や新入社員を育てる文化などが一般的ではない状況があるからだ。海外では新卒・中途問わず「即戦力かどうか」で判断されることが多く、職務経験に乏しい新卒学生にとっては不利な状況となっている。しかし日本では、例年大卒者の就職率は9割を越えている。
 
 一方で、「母国と比べて日本の就職活動のデメリットは何か」(複数回答)では、「内定を得るまで忙しく学校の勉強に集中できない」(50・1%)が最も多く、「就職活動に時間がかかる」(49・1%)、「在学中に一斉に就職活動を始めなければならない」(25・9%)が続く結果となった。日本の大卒者の就職率は極めて高いものの、在学中に就職活動を実施することによる弊害に苦労していることが分かる。
 
 今年は、経団連の採用選考に関する指針の改正に伴って、面接等の開始が6月からになり、昨年より2ヶ月間早くなった。「就職活動スケジュールの変更を知っていたか」について、3月に回答した留学生の約6割が「知っていた」と回答。学校のキャリアセンターと新聞・テレビ・インターネットのニュースから情報を得た学生が多かった。
 
 入社後の定着率に関する質問「日本で何年働きたいか」では「永住を希望」(40・6%)、「一つの会社で何年働きたいか」では「定年まで」(29・4%)がそれぞれ最多となった。




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