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向学新聞2016年11月号


18年卒の採用解禁も6月

経団連   短期間でのマッチングに課題も   


 一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)は9月、2018年卒の就職活動の日程を、2017年卒と同じく「3月に説明会解禁」「6月に選考解禁」とすることを決めたと発表した。2019年卒についても同様の日程とするか否か検討しており、年内をめどに方針を固める。

 日本の新卒一括採用では、4月入社に向けて企業が一斉に同時期に採用活動を開始する。開始時期は経済界が取り決め、企業に順守を求めてきた。

 2015年卒の採用では、大学3年生の12月から説明会を開始し、4年生の4月から選考を開始していた。しかし学生が就職活動で学業に専念できないため、少なくとも3年生の間は勉学に集中できるような措置を政府が企業側に要望。経団連は2016年卒の採用から、説明会を大学3年生の3月開始、選考活動を4年生の8月開始に後ろ倒しするよう取り決めた。

 しかし今度は選考活動の開始が遅くなったことで就職活動が長期間にわたり、学業を阻害する等の問題も生じた。また、取り決めを守らず従来通り早期に選考を開始する企業も多く、4月や5月の時点で内々定を出して学生に承諾を求める企業もみられた。そこで2017年卒採用では、面接の解禁を2か月前倒しして6月に変更した。

 経団連の榊原定征会長は記者会見で、「暑く長い就職活動を学生に強いるといった昨年の問題は是正されたと評価する声が多い」として、2018年採用でも6月解禁を継続する背景を説明した。一方、「広報活動期間を5カ月間から3カ月間に短縮したことで、活動の早期化・短期化をもたらし、企業研究やマッチングなどの面で課題が残った」と指摘。開始時期について検討の余地があることも示唆した。

 実際に今年の採用活動では、大企業(従業員300人以上)の6割が6月以前に採用選考活動を開始していたとの文科省就職問題懇談会の調査結果があり、経団連の定めるルールと企業側の動きに乖離があることも浮き彫りとなっている。



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