<向学新聞2020年1月1日号記事より>
文化庁 日本語教育推進の骨子素案
中高外国人生徒にキャリア教育
夜間中学、全都道府県に
文化庁は11月22日に開いた日本語教育推進関係者会議(第1回)で、日本語教育推進のための骨子素案を示した。「外国人を日本社会の一員として受け入れ、社会から孤立しないようにするためには、日本語を習得できるようにすることが極めて重要」だとして、国として推進する日本語教育の具体策を挙げている。
現在、公立義務教育では、日本語能力に課題のある児童生徒への指導のために児童生徒18人に1人教員をおくという基礎定数が定められているが、この規定に基づいた改善を進める。また、日本語指導補助者や母語支援員の活用など地方自治体での指導体制の構築を支援する。
中学・高校においては、将来を見通した進路指導が提供されるよう、外国人生徒等へのキャリア教育を行う。また、現状として生徒の8割が外国人となっている夜間中学については、全都道府県と全指定都市に少なくとも一校は設置されるよう、地方公共団体向けの説明会を開くなどして設置を支援する。
外国人留学生への日本語教育については、企業から採用内定を得た外国人留学生に対して定着のためのビジネス日本語や日本の雇用慣行、ビジネスマナーの習得を目的とした研修を実施する。また、外国人労働者への日本語教育を強化するため、都道府県と指定都市が行う地域日本語教育の総合的な体制作りを推進する。
地域の日本語教育は多くがボランティア教師によって支えられており、増え続ける受講希望者への対応に苦慮する教育現場もある。2018年11月時点で国内の日本語教師全体の55・4%がボランティアとなっている中、今後実際にどのような形で支援がなされるのかが重要な課題となる。
日本語教師41,606人の内訳 平成30年度国内の日本語教育の概要(2018年11月文化庁資料)より
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