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王 軼涵 さん 

関西外語専門学校 中国出身


京都の伏見稲荷大社


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伏見稲荷大社の千本鳥居にて


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絵のように美しい千本鳥居


 京都の伏見稲荷大社は大学受験の成績発表前に一度行ったことがある。私は元々無神主義だったが、日本へ来て、少しずつその考えを変え、日本にある八百万の神々のことを信じるようになった。

 大学の合格発表の前に、伏見稲荷大社へ宮参りに行った。朱色の鳥居が並ぶ千本鳥居は、何処から写真を撮っても、絵のように美しい。この千本鳥居の美しい朱色は、生命、大地、生産の力を、稲荷大神の御霊を表現した色だ。浴衣や着物を着て、朱の鳥居の前で写真を撮っている女の子が何名もおり、昔の日本の再現のような風景だった。 

 昼間、神社のご神木である杉と鳥居の合間から、わずかな光が差し込み、夜間は鳥居の途中にある祠にある蝋燭と吊り灯篭に幽玄な光が灯されていった。私が来た日は、偶然雨が降っていた。ご神木の杉と鳥居で雨が遮られているため、別な世界のような景色だった。

 たくさんの鳥居があるのは、「願いが通る」という意味を表わしており、稲荷大神へのお礼として奉納されていることは、後に友人から聞いた。それを知って、友人と一緒に自分達の知っている名前を探したこともあった。

 20年ほどで全て建て替えられた鳥居は、どこでもきれいな鳥居が続いている。鳥居の下をずっと歩き続けたら、山頂に到着した。そこには椅子と自動販売機があり、友人と一緒にこの椅子に座って休み、自動販売機で飲み物を買い、この山奥の風景を楽しんだ。目の前を様々な人種、様々な国の沢山の人が通り、伝統の日本の山の中に世界を感じた。

 自然と、不思議な伏見稲荷大社の景色は、山を降りる時はもう暗くなっていた。



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