TOP向学新聞>OECD対日経済審査報告2024
向学新聞2024年4月号目次>OECD対日経済審査報告2024
向学新聞2024年4月号記事より>
OECD対日経済審査報告2024

OECD対日経済審査報告
高学歴外国人に提供される「機会の質」(出典:OECD移住統計データベース)

経済協力開発機構(以下、OECD)は1月11日、日本経済の評価や提言をまとめた「対日経済審査報告2024」を発表した。同審査は、OECD加盟各国ごとに隔年で実施され、「国の健康診断」のような性質を持つとされている。同報告は、日本の経済分野を中心に、関連する労働政策や環境政策についても多角的な評価や政策提言を行っている。

今回の提言の中で、労働分野においては、父親育休取得率の改善の他、就業者数が今後急速に減少していく中で、女性や高齢者の雇用を促進すると同時に、高度外国人材の積極的な受入れの重要性も指摘している。

OECD統計によると、高学歴の外国人に提供される「機会の質」について、日本はOECD平均を下回っている(上図)。そのため、外国人に対する差別を防止し、住宅や教育へのアクセスを改善し、長期間の日本滞在を可能としたり、当該外国人の配偶者等が日本で柔軟に働けるような包括的な戦略を策定する必要があるとしている。

一方、OECDの別の統計では、日本の若者の失業率はOECD平均を大きく下回っている。少子化による若手の人材不足だけでなく、「社員として採用してから育てる」という日本のメンバーシップ型採用文化の影響もあるとみられる。



向学新聞2024年4月号目次>OECD対日経済審査報告2024

a:101 t:1 y:1