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向学新聞2024年4月号目次>【能登半島地震】国際交流協会の取り組み
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【能登半島地震】国際交流協会の取り組み
公益財団法人石川県国際交流協会(IFIE)    
事務局長 髙橋健司 氏

―能登半島地震発災当時の取り組みを教えてください。

IFIE では、1月2日に、多言語相談窓口を立ち上げました。寄せられた相談内容によって、より詳しい情報や専門機関に繋げる役割です。ウェブサイト上に避難所や多言語で災害関連情報を得られる情報やリンクを掲載しました。また、通信環境が整っていない方もいると考え、多言語で相談窓口の情報を記載したチラシを、奥能登に向かう県庁職員等に渡して、避難所に行くときは貼って欲しいと頼みました。

もう一つは、2023年夏に、石川県が県内に住む1万4000人の外国人住民に対して国際交流に関するアンケートを実施し、情報提供を希望する方のメールアドレスが約2700名分集まっていたので、そのリストにも、相談窓口や多言語の災害対策情報を発信してもらいました。届けた情報が、実際にどれだけの方に見られたかは分かりませんが、1人でも多くの情報を必要としている方に、正しい情報が届いていれば、意味のあることだったと感じます。

―どのような相談が寄せられましたか。

相談内容としては、発災直後は、「『避難してください』と放送があったが、自分も対象なのか、この場所は安全ではないのか」といった、情報を聞いたが判断に困る、その情報の意味が理解できない、といった相談が多かったです。これは私の個人的な感想ですが、意外と情報をキャッチする事に困る方は多くなかったように思います。スマホが使える状況なら、翻訳機能を使ったり、技能実習生同士で情報を得ている方が多いようでした。 一方、情報は得られているが「入浴支援とは何か」、「整理券とは何か」、など、その意味が理解ができないなど、具体的な問題も見えましたが、そういった点での情報伝達ができれば安心につながると感じました。

避難所には、最初は外国人の方もいたそうですが、落ち着いたころには技能実習生は寮に戻ったり、早めに再稼働できた企業で働く方は、避難所から仕事に行く実習生もいたそうです。再稼働が難しかったり、時間がかかる企業の多くは、他企業への転籍や一時帰国を認めたりするなど、彼らの今後のための支援を行っているようでした。IFIEでは、仕事に関する相談については、入管や技能実習機構が開催する相談会へ繋げるなど、少しでも不安の解消につながればと思っています。

よく言われることではありますが、日本人・外国人を問わず、日ごろから相談できる人がいる事、自治体や地元NPO、企業等とも、日ごろからのつながりを持っていることが大切だと感じました

公益財団法人石川県国際交流協会
石川県における国際交流推進の中核的組織として、1992年3月、石川県の出資により設立。国際交流や国際協力活動とその支援、国際理解の促進、日本語教室や相談・情報提供事業の充実など、日本人と外国人が相互理解を深め、共生する社会をめざして各活動に取り組んでいる。



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