Top向学新聞企業に聞く外国人社員の活躍>新電元工業株式会社



新電元工業株式会社  
(人事部 人事課 小野 泰嗣 氏) 


企業内がさらに活性化


画像の説明


――新電元工業の事業内容は。
 企業ミッションとして、「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」を掲げ、デバイス、電装、新エネルギー事業を展開しています。
 代表的な製品をそれぞれ挙げると、デバイス事業では、パワー半導体であるブリッジダイオード、電装事業では、バイク用のレギュレータやCDIユニット、ハイブリットや電気自動車などのDC/DCコンバータ、新エネルギー事業では、電気自動車の充電スタンドや太陽光発電で使われるパワーコンディショナがあります。「新電元工業」という企業名が一般消費者の方の目に触れる機会は少ないですが、よく見て頂くと至るところに弊社の商品が使われています。
 製品に共通する機能は、一言で言うと、電力変換や制御であり、電力変換時に発生してしまう電力損失をいかに少なくできるのかということが腕の見せ所です。企業ミッションにもあるように、省エネルギー社会の実現を目指し、電気を使う全ての製品の進化を支えています。

――どのような経緯で外国人社員の採用を。
 2011年に日本留学していたベトナム人社員3名を採用しました。ベトナム工場の立ち上げに際し、将来の幹部候補生を採用するためです。現在一人はベトナムに赴任し製造現場のリーダー的立場で、他の2名は国内で設計と経理担当として活躍しています。彼らの優れている点は、日本文化に精通し、日本とベトナム両方の立場を理解しているところです。採用選考の面接でも、我々が何を望んでいるかをしっかり汲み取って話してくれました。


ベトナムで日本人社員をコーディネート


――外国人社員が会社に与えた影響とは。 
 弊社は1000人規模の会社で若手でも担当者としての裁量権が大きく、新しい提案も上司が納得すれば「やってみなさい」と背中を押してくれる社風ですが、外国人社員が入社することで企業内がさらに活性化しました。彼らは異なる視点を持っているため、日本人社員が既存の考え方や業務を見直す気づきを与えてくれました。
 最も印象に残っているのは2011年の出来事です。同年タイで起こった大洪水の影響で、弊社のタイ現地工場で浸水が発生し、国内外で緊急の代替生産に追われました。ベトナム工場でも生産しなければならなかったのですが、工場を立ち上げたばかりでサポートが必要な状況でした。そこで、日本からベトナムに応援を送ろうということになり、当時新入社員のベトナム人社員3名も同行しました。入社間もないにも関わらず、彼らは初めてベトナムを訪れた日本人社員をコーディネートし、現地スタッフとの通訳を務めてくれるなど、あらゆる場面で大変助かりました。現在も日本とベトナムを繋ぐブリッジとして活躍してくれています。




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