IFSAは外国人留学生のための様々な情報提供、就職・転職支援(日本人海外経験者含む)までを行う非営利団体です。

マーク・ザイオン 氏

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マーク・ザイオン 氏 
(多摩大学 グローバルスタディーズ学部 准教授) 


日本を学ぶプログラムの充実を  トップダウンとボトムアップ必要

――留学生受入れの課題は何でしょうか。
 世界規模で考えると、留学を希望する学生にとって日本留学という選択肢はおそらくファーストチョイスではありません。英語を学びたい学生であれば、アメリカやオーストラリア、最近では格安で留学ができるフィリピンという選択肢もあります。また、アメリカは世界中から留学生を受入れていますが、その要因として映画や音楽といった文化的な影響も大きいと考えられます。
 では日本はどうすべきなのかと言うと、日本語や農業などの日本文化を学ぶジャパニーズ・スタディ・プログラムをより充実させることが必要だと思います。また、留学生を多く受け入れている欧米諸国では、ホームステイが盛んですが、日本でもホームステイを促進し、留学生がスムーズに生活できるように支援すべきだと思います。
 一方で、東日本大震災後に起きた原子力発電所の問題もあり、本学も影響を受けました。チェルノブイリ原子力発電所事故の被害を受けた両親を持つドイツ人学生は、震災が起きて2日後には、不安な気持ちから母国に戻らざるをえない状況になりました。イスラエル出身のスタッフも退去命令により余儀なく帰国しました。私が受け持っている授業も、昨年は留学生が多かったのですが、今年はいません。非常に複雑な問題で、報道の影響もあり多くの人が今も不安を感じています。日本は、時間の経過を待ちつつ、耐え忍ぶことが必要だと思います。

――そういった状況の中で、留学生にとってより魅力ある大学を作るためにはどうすればいいでしょうか。
 良い大学を作るには、トップダウンとボトムアップが必要です。例えば、最近話題になった東京大学の秋入学のように、大学や政府による改革と学生自身が刺激を与え合い授業を盛り上げるという両面が重要です。以前、他大学でフランス人学生と日本人学生が半分ずつ在籍していた講義を受け持ったことがあります。多くの日本人学生は、教員の講義を聞くだけになってしまうことが多いかと思いますが、その授業で日本人学生は、フランス人学生から刺激を受け、積極的に教員と議論するなどインタラクティブに講義を進めていく力を身につけていきました。宗教を扱った講義では、フランス人学生のカトリック教会への信仰に驚いていましたし、フランス人学生も日本の仏教に触れ新鮮な感覚だったようです。日本人学生と外国人学生が共に学ぶことで、異文化に触れモチベーションが向上していく姿を目にし、ボトムアップの重要性を認識しました。

――留学生が日本で学ぶべきことは何でしょうか。
 私は20年以上日本で生活をし 、日本の素晴らしい文化を学び、日本を愛しています。そして、多くの場合、日本人は世界の平和を築いていく上でのモデルになると感じています。日本人は問題が起きた場合、相手に闘いを挑むのではなく、話し合いなどで平和的に問題を解決しようとします。また、日本だけではなく世界の一員であるという感覚「グローバルシチズンシップ」を持っています。グローバリズムが進展する中で、そういった日本人の姿勢を感じ学びとってほしいと思います。


Mark Zion
 アメリカ出身。ボストン大学博士課程修了。ニカラグア、中国で教員経験を積み来日。日本での教師歴は20年。10年ほど前より慈善団体Habitat for Humanityに参加。学生を引率しアジアの途上国を訪れ、孤児院の支援活動や家作り等に関わっている。研究分野は、社会的責任、途上国における生活意識の向上など。担当科目は英語集中教育。

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