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アルフレッド ロペス氏

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アルフレッド ロペス氏 
(早稲田大学 政治経済学部教授) 


奨学金など魅力ある政策が必要  人間性のグローバル化の推進を

――まず、先生の母国スペインにおける留学生受入れの状況について、お聞かせください。
 スペインはEUの加盟国で、EUにはエラスムスという共通の留学プログラムがあります。そのエラスムスを最も利用しているのがスペインだといわれています。スペインから他のEU諸国へ留学する数も、他のEU諸国からスペインへ留学に来る数も共にEUで一番多いようです。このような共通の留学プログラムを設けることはとても有効だと思います。
 スペインでも日本と同じように、内閣が変われば政策も変わりますが、教育に関しては初等教育、中等教育、そして高等教育に至るまで国が提供するものという基本的な考えがあります。ですから、昔は私立の大学は認められませんでしたが、学費はほぼ無料でした。また留学生に対する支援制度も整っており、もちろん日本からの留学生もその対象です。

――日本に外国人留学生をもっと受け入れるには、どうしたらいいとお考えですか。
 私は1997年から、ここ早稲田大学で教員として勤めていますが、当時は留学生はわずかでした。当時からみれば、ここ早稲田はもちろん、全国的にも留学生は格段に増えましたね。さらに増やそうと思えば、やはり外国人留学生にとって魅力ある政策が必要でしょう。よくいわれるように、英語で単位や学位を取得できるコースを増やしたり、奨学金制度の充実を図ることなどです。日本は一部を除いて他国より物価が高いと思いますので、奨学金は不可欠だと思います。
 スペインから日本に来ている留学生は少ないですね。ここ早稲田でも7名ほどです。昔はスペインで日本に関心のある人はあまり多くなかったですが、最近は漫画やアニメ、和食などがとても人気があり、日本への関心が高まっています。現地でも、もっと日本の良さや日本の大学に留学するメリットをアピールしたらいいと思います。

――日本の大学のグローバル化を推進するには、何がポイントでしょうか。
 最近特に「グローバル化」という言葉を耳にしますが、グローバルというと「英語」とか「アメリカ」にちょっと偏っているのではないかと気になります。私はここでスペイン語を教えていますが、文学や歴史にも大変興味があり学生たちに話しています。スペインの文化は西洋文化のひとつですが、西洋文化には共通する柱があります。その基礎となっているものの1つはギリシャ・ローマの古典文化です。ヨーロッパの文学・哲学・科学もみなギリシャから生まれ、ローマで磨き上げられてヨーロッパ中に広がりました。もう1つの柱はキリスト教です。これらはイギリスやアメリカが誕生するずっと前からあったわけです。文化とはものの考え方であり、人間形成の基礎となるものだと思います。ですから、そういう多様な文化が世界にはあるということを知るには、他国へ留学するのが一番いいでしょう。視野が広がり、一方で自国の良さも再認識できます。国際的にビジネスをするには英語も必要でしょうから、力を入れて学べばいいと思います。世界の多様な文化に触れ、人間性が豊かになるような「グローバル化」の推進を期待します。


LOPEZ-PASARIN BASABE Alfredo
 UNIVERSIDAD DEL PAIS VASCO(スペイン)にて文学博士号取得。1989年より東京の語学学校にてスペイン語講師。1997年より早稲田大学にて勤務。2004年4月より早稲田大学政治経済学部教授。専門はスペイン文学(特にスペイン現代詩)。


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